利用報告書
課題番号 :S-20-NI-0042
利用形態 :機器利用
利用課題名(日本語) :圧電体を利用する触媒反応とエネルギーバンドギャップ測定
Program Title (English) :Catalytic Property using Surface of Piezoelectric and Energy Band Gap Measurement
利用者名(日本語) :三摩享弘, 柿本健一
Username (English) :T. Samma, K. Kakimoto
所属名(日本語) :名古屋工業大学創造工学教育課程
Affiliation (English) :1) Creative Engineering Program、Nagoya Institute of Technology
1.概要(Summary )
無鉛圧電セラミックス(Ba,Ca)(Ti,Zr)O3 (BCTZ) のバンド構造に及ぼす組成の影響をUV/VIS/NIR分光光度計を用いて評価した。得られた拡散反射スペクトルをKubelka-Munk変換により各組成のバンド構造を解析した。
2.実験(Experimental)
(1-x)Ba(Zr0.2Ti0.8)O3-x(Ba0.7Ca0.3)TiO3 (x = 0.5, 0.7) の異なる組成のセラミックスを固相反応法により焼成した後、粉砕することで粉末試料を得た。得られた試料に対して、UV/VIS/NIR分光光度計 (V570, 日本分光) により積分球を用いた拡散反射測定を行った。
3.結果と考察(Results and Discussion)
| Fig.1 BZT-xBCT(x = 0.5, 0.7)拡散反射スペクトル |
各試料の拡散反射スペクトルをFig.1に示す。いずれの粉末試料も440nm〜800nmの波長の光に対して高い透明性及び無色性を示した。反射率は400nm付近で急激に低下し,320nm付近に吸収端が現れた。同様の拡散反射スペクトルはこれまでに酸素八面体ペロブスカイト構造で観察された。
それぞれの試料粉末から測定した拡散反射スペクトルを式(1)に示すKubelka-Munk変換により解析した。得られた吸収曲線をFig.2に示す。
| (1) |
ここで、 は拡散反射スペクトル、 は光のエネルギー、 はエネルギーバンドギャップ、 は比例定数を示す。ここでAは吸収端でほぼ1に等しく、エネルギーバンドギャップ ( ) は価電子帯と伝導帯が直接遷移すると仮定して見積もることができる。
| Fig.2 Kubelka-Munk変換後の吸収曲線と
エネルギーバンドギャップ |
Fig.2よりBZT-xBCT粉末のエネルギーバンドギャップはは約3.20 eVであることがわかる。BCTZ50の方がバンドギャップが大きいことがわかる。これは、光学特性が主に酸素八面体構造で決まるためと考えられ、Zrリッチ組成では、Ti4+よりもZr4+の方がイオン半径が大きく、Zr4+イオンによって酸素八面体構造が拡張されたと示唆される。
4.その他・特記事項(Others)
なし。
5.論文・学会発表(Publication/Presentation)
Asian Meetings of Ferroelectrics and Electroceramics (AMF-AMEC 2021), Dusit Thani Pattaya, Thailand, 2021.7.6-9
6.関連特許(Patent)
なし。







