利用報告書

導波モードセンサー用標識分子の合成
上野 耕治
有限会社シーアンドアイ

課題番号 :S-17-NM-0002
利用形態 :機器利用
利用課題名(日本語) :導波モードセンサー用標識分子の合成
Program Title (English) :Synthesis of labeled molecules for wave-guided mode sensor
利用者名(日本語) :上野 耕治1)
Username (English) :K. Ueno1)
所属名(日本語) :1) 有限会社シーアンドアイ
Affiliation (English) :1)C&I, Co., Ltd.

1.概要(Summary )
導波モードセンサー用(*1)の標識物質として、有機色素を含むブロック共重合体を合成する。

2.実験(Experimental)
使用した装置:NMR(ECL-400)
自社で合成したブロック共重合体の原料モノマー、中間体および最終精製物の粗生成物と精製物のプロトンNMRを測定した。
測定結果より、重合反応のコンバージョン及び各モノマーの平均重合度、高分子の平均分子量などを見積もった。
なお、重合反応には、RAFT重合(*2)を用いた。

3.結果と考察(Results and Discussion)
標識剤の構造は、標識分子である青色色素と水溶性を付与するポリエチレングリコールの共重合体からなるブロックと、任意のタンパク質と結合するためのNHS(N-ヒドロキシスクシンイミド)ホモポリマーからなるブロックのABブロックポリマーである。
図1にブロックポリマーの構造を模式的に示す。

図1
最終生成物のプロトンNMRスペクトルを図2に示す

図2
NMRスペクトルより、精製プロセスにより残留モノマーきれいに取り除かれ、各モノマーの平均重合度は図1に示す値となった。

4.その他・特記事項(Others)
NIMS服部晋也氏、李潔氏にNMR使用法について講習を受けた。
*1
当社の導波モードセンサーに関するWEBサイトURL:
https://www.candi-wgm.com/products/evam02.html
*2
リビングラジカル重合の一種で、所定の分子量を持つ、ブロック、グラフト、くし型、星型といった複合構造を有する高分子を合成することが可能なため、その研究は急速に広まった。

5.論文・学会発表(Publication/Presentation)
なし。
6.関連特許(Patent)
なし。

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