課題番号 ：S-20-MS-1022
利用形態 ：機器センター施設利用（ナノテクノロジープラットフォーム）
利用課題名（日本語） ：希土類金属ドープ型ビスネスフェライトナノ粒子の磁性に関する研究
Program Title (English) ：Magnetic property of rare-earth metal doped bismuth ferrite
利用者名（日本語） ：有馬　ボシールアハンマド
Username (English) ：Bashir Ahmmad Arima
所属名（日本語） ：山形大学大学院理工学研究科
Affiliation (English) ：Yamagata University

１．概要（Summary ）
マルチフェロイクス材料としてビスマスフェライト（BiFeO3）が注目されている。しかし、デバイスへの応用にあたって、強誘電特性と磁化特性の向上が必要である。そこでBiサイトにLa及びFeサイトにTaを共添加したセラミックス材料を作製し、分析測定及び磁化特性評価した。
２．実験（Experimental）
Bi0.80La0.2Fe1-xTaxO3 (x=0.0~0.05) 試料の作製は固体反応法によって行われた。得られた粉末をXRD (Rigaku, UltimaⅣ)による結晶性評価及び、SQUID(Quantum Design, MPMS-XL7)による磁化特性評価に用いた。
３．結果と考察（Results and Discussion）
Fig 1にBi0.8La0.2Fe1-xTaxO3(x=0.00～0.05)のXRD測定結果を示す。XRD結果からペロブスカイト構造が正方晶になっていることを確認した。また、菱面体晶のペロブスカイト構造を持つビスマスフェライトが、Laのドープにより変化したことを示す。Table 1にシェラー式を用いて計算したBi0.8La0.2Fe1-xTaxO3 (x=0.00～0.05)の結晶子サイズを示す。Taドープにより結晶子サイズが減少することを確認した。

Fig 1：XRD pattern
Fig 2にBi0.8La0.2Fe1-xTaxO3(x=0.00～0.05) の磁化曲線を示す。すべてのサンプルにおいて、磁化は飽和しないこと
Table1：Crystallite sizes
Ta割合(%)
0
0.5
1
2
3
5
結晶子
サイズ(nm)
70.7
65.7
51.0
39.1
39.1
40.8

が確認された。磁化はTaドープ濃度が0.5%で最大となり、その磁化は約0.475[emu/g]だった。一方、保磁力はTa=1%のドープ濃度になると増加することが確認された。
　
Fig 2：M-H hysteresis curves
４．その他・特記事項（Others）
本研究は文部科学省ナノテクノロジープラットフォーム事業（分子・物質合成）の支援により分子科学研究所で実施された。
５．論文・学会発表（Publication/Presentation）
(1). S. Das, B. Ahmmad, M. A. Basith、AIP Advances, vol. 10, pp. (2020) p.p. 095135.
(2)　吉川 雄貴、久保田 直人、久保田 繫、廣瀬 文彦、有馬 ボシールアハンマド、電子情報通信学会技術研究報告 vol. 120 (408) (2021年) p.p. 11-14.
(3). A. Billah , A. I. Hossain, M. K. Roly, B. Ahmmad Arima、電子情報通信学会技術研究報告vol. 120 (408),　(2021年) p.p. 18-21.
６．関連特許（Patent）
なし