利用報告書
課題番号 :S-16-NU-0023
利用形態 :機器利用
利用課題名(日本語) :平成28年度学生研修プログラム「ナノバイオデバイスによる分子・細胞計測の
基礎」
Program Title (English) :Nanotechnology Platform Research Experience Program for Students 2016
“Introduction to the measurements for cells and molecules using nanobiodevices”
利用者名(日本語) :曽賀薫1), 飯田カレン幸子2),奥村佳奈3)
Username (English) :K. Soga1), S. K.Iida2),K. Okumura3)
所属名(日本語) :1) 京都大学大学院生命科学研究科, 2) 上智大学理工学部物質生命理工学科,3)物
質・材料研究機構
Affiliation (English) :1) Kyoto University, 2) Sophia University, 3) National Institute for Materials Science
1.概要(Summary )
H28年度学生研修プログラムにおいて、名古屋大学分子・物質合成プラットフォームでは研修テーマ「ナノバイオデバイスによる分子・細胞計測の基礎」を提案し、7月27日~29日に2名の学生が研修を行った。研修では、ナノ・マイクロデバイスを使ったバイオ分析の基本技術の習得を目的として、デバイスのデザインと作製技術、DNAの分離分析、細胞のイメージング実験を体験し、ナノバイオ研究の基礎知識と実験操作を学んだ。
2.実験(Experimental)
1)バイオデバイス作り
感光性モールドを用い、今後の観察用バイオデバイスを2種類作製するため、クリーンルーム内でモールドの塗布から露光に至る一連の操作を体験。
2)電気泳動とDNA伸長実験
作製したデバイスにゲルを添加し、DNAが電気泳動される様子やDNAがデバイス内で伸長した様子の顕微鏡観察を試みた。
3)細胞封入実験
デバイス内に封入された細胞を以下の装置を用いて蛍光観察を行った。使用機器:超解像顕微鏡(Leica社製TCS STED CW)、全反射蛍光顕微鏡(Olympus社製 IX71)
3.結果と考察(Results and Discussion)
1)バイオデバイス作り
これから作るデバイスの特徴やその目的等を確認後、各工程の理解を早めるため、クリーンルームで作業を実施した。デバイス作製は初めで、不慣れな操作もあったが2種類のデバイスを作製することができた。
ただし、デバイスの性能には、デバイス幅や深さにばらつきが確認された。完成度の高いデバイスを作るには、スピンコーターの回転速度や時間、露光の条件など各工程の検討が重要であると学んだ。
2)電気泳動とDNA伸長実験
作製したデバイスは小さくゲルが即座に固まってしまい、マイクロ流路内にアガロースゲルを流し込むことは非常に難しかった。蛍光染色されたDNAをデバイスの片側に入れ、電圧を印加し、電気泳動を行い、その様子を顕微鏡で観察したが、デバイス状態が悪く観察できなかった。また、PDMS構造体に引っかかったDNAの伸長状態も観察したところ、数本のDNA伸長が見られた。
3)細胞封入実験
単一細胞解析に用いられるマイクロチャンバーデバイス内に細胞を封入し、単一細胞の観察を行った。クリーンベンチでの細胞操作は初めてであり緊張したが、多くの細胞が封入された様子が確認され、この実験系の便利さを体感できた。細胞ごとの蛍光強度を測定し、ヒストグラムを作成することで細胞ごとのばらつきや分布の特徴も学ぶことができた。
4.その他・特記事項(Others)
実習の指導を頂きました名古屋大学馬場教授、安井助教に感謝いたします。
5.論文・学会発表(Publication/Presentation)
なし
6.関連特許(Patent)
なし







