利用報告書

底質改善技術の開発
竹村泰幸1), 珠坪一晃1) 窪田恵一2)
1) 国立環境研究所 地域環境研究センター, 2) 群馬大学

課題番号 :S-19-SH—0012
利用形態 :分子・物質合成 共同研究型支援
利用課題名(日本語) :底質改善技術の開発
Program Title (English) :Development of remediation technologies for sediments
利用者名(日本語) :竹村泰幸1), 珠坪一晃1) 窪田恵一2)
Username (English) :Y. Takemura1), K. Syutsubo1), K. Kubota2)
所属名(日本語) :1) 国立環境研究所 地域環境研究センター, 2) 群馬大学
Affiliation (English) :1) Center for Regional Environmental Research, National Institute for Environmental Studies, 2) Graduate School of Science and Technology, Gunma University

1.概要(Summary )
本研究では堆積物微生物燃料電池を用いた底質改善および栄養塩溶出抑制技術の開発を行っている。底泥表層付近の底質評価を目的に各種マイクロセンサーによる測定を実施している。ナノテクノロジープラットフォームには、リン酸マイクロセンサーのイオノフォアであるbis[dibromo(phenyl)stannyl]methaneの合成を依頼した。リン酸マイクロセンサーは、既報(Satohら)に準拠して作製し、リン酸濃度と電位差の関係に再現性が得られた。

2.実験(Experimental)
LIX型リン酸マイクロセンサーは既発表の論文に記載された方法に準拠して作製した。イオノフォアはbis[dibromo(phenyl)stannyl]methane)を、溶媒はo-nitrophenyl octyl ether((株)同仁化学研究所)を用いた。イオノフォアの濃度は2%(w/w)とした。T-PO4の濃度を100 µMから100 mMに調整したリン酸標準溶液(pH 7.0)溶液を用いて、電位差とリン酸濃度の検量線を作成した。また、試験的に寒天培地および実底質にセンサーを貫入しその耐久性並びに応答性の評価を行った。

3.結果と考察(Results and Discussion)
底泥表層付近を評価するため、リン酸マイクロセンサーの先端径はできるだけ細い方が望ましい。本研究では、リン酸マイクロセンサーのセンサー先端径を30 µm程度に成形できた。また、リン酸標準液を用いて作成した電位差とリン酸濃度の検量線の傾きは、20.3〜39.3 mV/log[M]とばらつきが大きく、精度向上を検討している。このセンサーを寒天培地や霞ヶ浦から採取した底泥への貫入を試みたところ、物理的破壊は確認されなかった。一方で、貫入することによって、10 mMまでは測定が可能であったが、それよりも低濃度域において検量線の値と乖離することが観察された。この貫入によるセンサーの応答性の変化に対する改善と原因の究明を進め、実底質測定に向けて検討を進めていく。

4.その他・特記事項(Others)
なし

5.論文・学会発表(Publication/Presentation)
(1) 佐藤郁他, 第54回日本水環境学会年会, 令和2年3月16日

6.関連特許(Patent)
なし

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