利用報告書
課題番号 :S-17-NU-0014
利用形態 :技術代行
利用課題名(日本語) :当社調製による精油成分と悪臭成分の化学変化の解析
Program Title (English) :The analysis of chemical change of essential oil and malodorous components
利用者名(日本語) :神田秀昭, 堀川泰子
Username (English) :H.Kanda , Y. Horikawa
所属名(日本語) :アロマスター株式会社
Affiliation (English) :AROMASTAR CO., LTD.
1.概要(Summary )
業務用アロマディフューザーを自社開発し、医療・介護施設向けに直販している。アロマ精油成分の消臭メカニズムを解明するアプローチとして、悪臭成分と精油の代表的な成分を個別に組合せて消臭実験を行い、消臭効果が確認された組合せについて化学的な相互作用を機器分析で突き止めることを進めている。本年度は悪臭成分のホルマリンに対して、消臭機能を示したアロマ精油成分との化学的相互作用について機器分析から検討を加えることに加え、クレゾールを悪臭成分として取り上げ、アロマ精油成分による消臭機能を比較評価することにも取り組んだ。
2.実験(Experimental)
①ホルマリンと精油成分は相溶しないので、ホルマリンと精油成分を1:1で混合放置した試料から精油層を取り出し、少量のDMSO-d6を加えてバルクに近い状態で13C NMRを測定した。
②4lの空気を入れた5lガスサンプル袋にクレゾール5mlを注入した1時間後、精油成分を0.5mlさらに注入し、一定時間後に注入口における臭気を官能評価した。
消臭実験に使用した精油成分とm-クレゾールを2:1で混合し、FT-IR、ラマン、1H NMR、13C NMRスペクトルを測定した。ラマンスペクトルは試料液をガラスキャピラリーに封入して測定し、NMRでは少量のDMSO-d6を添加したバルク状態で測定した。
利用装置:
NMR(500MHz)装置Agilent UNITY INOVA500
3.結果と考察(Results and Discussion)
①ホルマリンに消臭効果を示さなかったシトラールは、ホルマリン混合前後で13C NMRスペクトルに変化は認められなかった。一方、消臭力を示すメントールは室温で固体のため、ホルマリン消臭能のないシトラールと1:1で混合し、上と同様にホルマリン混合前後で13C NMRを測定したところ、ホルムアルデヒド誘導体が精油層に溶けんだと判断できるシグナルが認められた。メントールのホルマリン消臭能には、ホルマリンを溶解して取り込む能力の大きいことが影響しているものと考えられる。
②クレゾールの消臭実験では、シネオール、シトラール、L-メントールで消臭効果が認められ、リモネンでは消臭効果は認められず、アロマ精油成分により消臭機能に大きな違いがあることを捉えることができた。
クレゾールと精油成分の混合液のFT-IRを測定すると、消臭効果があった系においてクレゾールの水酸基ピークに変化が認められた。1H NMR,13C NMRにおいても、消臭効果があった系においては、精油成分のシグナルの現れ方に変化が認められた。消臭効果を示さないリモネンでは、このような変化は認められなかった。ラマンスペクトルでは、いずれの系においても明確なスペクトル変化は認められなかった。
4.その他・特記事項(Others)
本利用にあたって、名古屋大学分子・物質合成プラットフォーム 坂口佳充特任教授、近藤一元氏(NMR)、伊藤始氏(IR)、西村真弓氏(ラマン)より支援をいただいた。
5.論文・学会発表(Publication/Presentation)
なし
6.関連特許(Patent)
出願準備中







