利用報告書

微小ゴム試料における新規加工法の開発
丸山隆之
株式会社ブリヂストン

課題番号 :S-19-JI-0054(S-18-JI-0058)
利用形態 :技術代行
利用課題名(日本語) :微小ゴム試料における新規加工法の開発
Program Title (English) :Development and evaluation of a new processing for small rubber samples
利用者名(日本語) :丸山隆之
Username (English) :T. Maruyama
所属名(日本語) :株式会社ブリヂストン
Affiliation (English) :Bridgestone Corporation

1.概要(Summary )
 タイヤ用途のゴム中に通常含まれる各種粒状物は耐亀裂性、耐摩耗性などのゴム性能に影響が予想される。粒状物の分布をX線等の非破壊分析で高精細に把握するには巾1mm程度の微小なゴム片を用いる必要がある。そのため観測された粒状物の組成や成因を更に詳細に分析するには、こうした微小な試料の内部から分析対象の粒状物を確実、効率的に試料表面に表出させる試料加工プロセスが必要となる。
本課題ではこれまでの検討で再現性も十分な前加工プロセスを見出し、その後の精密加工に十分な表面平坦性で分析対象粒状物の50-100ミクロン手前まで不要部の切除を実証した。そこで引続き対象粒状物の表面表出に至る精密加工プロセスや条件を検討した。

2.実験(Experimental)
 微小ゴム試料の前加工断面全体をその後の観察・評価に十分な厚みと平坦性を保って薄膜化できる加工プロセスとしてクライオミクロトームによる連続切片の作製を検討し、組成の異なる複数のゴム試料について再現性良く良好な薄膜が得られる加工条件を探索した。加工薄膜の仕上がりや平坦性については光学顕微鏡やレーザー顕微鏡で確認した。

利用した装置
・Leica EM UC7

3.結果と考察(Results and Discussion)
 クライオミクロトームの設定温度や加工厚み、薄膜回収方法など加工条件を各種試験・検討した結果、最終的に再現性も十分な最適条件を見出し、最大で20枚の連続薄膜が作製可能なことを実証した。加工薄膜を光学顕微鏡やレーザー顕微鏡で観察・評価した結果、ゴム試料中の粒状物が良好に観察可能な表面平坦性を有し、その後の各種評価にも十分な膜質であることが確認できた(Fig.1)。

Fig.1 加工薄膜中粒状物の観察例
(レーザー顕微鏡像)

引続き今回検討しなかった組成のゴム試料についても本加工プロセスの有効性を検証し、完成を図りたい。

4.その他・特記事項(Others)
支援者:東嶺孝一様、小林祥子様

本研究の一部は、文部科学省委託事業ナノテクノロジープラットフォーム課題として北陸先端科学技術大学院大学分子・物質合成プラットフォームの支援を受けて実施されました。

5.論文・学会発表(Publication/Presentation)
なし。

6.関連特許(Patent)
なし。

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