利用報告書

微粒子を懸濁した流体の熱物性
植木祥高1),濱田篤志2)
1) 大阪大学大学院工学研究科,2) 大阪大学工学部応用理工学科

課題番号                :S-19-OS-0053

利用形態                :機器利用

利用課題名(日本語)    :微粒子を懸濁した流体の熱物性

Program Title (English)  :Thermophysical Properties of Fine-Particle Suspension Fluids

利用者名(日本語)      :植木祥高1),濱田篤志2) 

Username (English)    :Y. Ueki1), A. Hamada2)

所属名(日本語)        :1) 大阪大学大学院工学研究科,2) 大阪大学工学部応用理工学科

Affiliation (English)    :1) Grad. School of Eng., Osaka Univ., 2) Faculty of Eng., Osaka Univ.

 

 

1.概要Summary

ナノ粒子を懸濁した溶融塩の比熱を,DSCを用いた測定を進めてきた.ナノ粒子の質量パーセント濃度を変化させて測定することで比熱の変化の濃度依存性と温度依存性を調査することを目的としているが,比熱の測定値にはナノ粒子の分散状態が強く影響している.そのような背景から分散状態を評価するためにゼータサイザーを用いた分析を行った.

 

2.実験Experimental

【利用した主な装置】

S07ナノ粒子解析装置(ゼータサイザー)

【実験方法】

以下のとおりゼータサイザーに使用した試料を作製した.質量を計測したHTS (Heat Transfer Salt) とSiCナノ粒子を三角フラスコに入れ,そこに蒸留水を加えてHTSが蒸留水に融解するまでオービタルシェーカーを用いて150 rpmで撹拌した.次に,試料をステンレスビーカーに移して,超音波ホモジナイザーを用いて撹拌した.超音波ホモジナイザーでの撹拌時間の合計時間が120分となるように,10分間の撹拌と10分間の放熱を繰り返すことでSiCナノ粒子を分散させた.超音波ホモジナイザーの放熱中はマグネティックスターラを用いて撹拌を行い分散状態が悪化しないようにした.この時のマグネティックスターラの設定は25oC,1500 rpmとした.次に蒸留水を脱水するために,マグネティックスターラを用いて撹拌しながら加熱脱水した.マグネティックスターラの設定は250oC,1500 rpmとした.ゼータサイザー測定直前に,試料に蒸留水を加えて5 wt%の水溶液の状態とし測定を行った.

 

3.結果と考察Results and Discussion

Fig. 1に測定結果の一例を示す.SiCナノ粒子の粒子径がd < 100 nmであるのに対して,測定値は383.9 ~  1581 nmにピークが集まって検出されたので試料は凝集していると判断できる.また,100 nm以下の粒子径も測定されており,ナノ粒子の一部は分散出来ていると考えられる.

 

Fig. 1 Mesurement results of zetasizer.

 

ゼータサイザーでの測定結果では時間経過に伴って粒子径のピークが約200 ~ 1500 nmを往復するような結果が見られており,これはナノ粒子が順次凝集してコロイドを形成し一定のサイズを超えたものから沈殿しているためと考えられる.また粒子径のピークの往復は5 ~ 10分の間隔であったことから, 沈殿は5 ~ 10分の単位で行われていることが分かった.

 

4.その他・特記事項Others

本課題の実施には,東電記念財団の研究助成による助成を活用した.

5.論文・学会発表Publication/Presentation

なし

6.関連特許Patent

なし

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