課題番号 ：S-15-MS-1035
利用形態 ：機器使用
利用課題名（日本語） ：新規ポルフィリン、コロール鉄(III)錯体の磁気的性質
Program Title (English) ：Maganetic Properties of Porphyrin and Corrole Iron(III) complexes
利用者名（日本語） ：池上崇久 1), 鈴木優章1) , )村井菜実1)
Username (English) ：Takahisa IKEUE 1), Masaaki SUZUKI1), Nami MURAI1)
所属名（日本語） ：1) 島根大学大学院総合理工学研究科
Affiliation (English) ：1) Shimane University

１．概要（Summary ）
現在までにポルフィリン金属錯体やコロール金属錯体などの様々なポルフィリノイドの金属錯体の合成を行ってきている。今回、私たちは、コロールやクロリンなどのポルフィリノイドに鉄(III)イオンを導入することに成功した。また、ポルフィリン鉄（III）錯体にピリジンNオキシドを導入することで、新規スピン状態のポルフィリンを合成した。これらの鉄イオンの磁気的性質を調べるために、極低温化でのEPR測定と2～300Ｋでの磁気モーメントの測定が必須である。これらの錯体の磁気特性を調べることで、新規磁性材料の創製を目的としている。また、ポルフィリノイドの金属錯体の新規な磁気的性質を調べるために極低温化でのEPR測定と2～300Ｋでの磁気モーメントの測定を行う。
２．実験（Experimental）
ESR測定 ：　E500を用いて、4Kから30Kまでの温度で各錯体の測定を行った。それらの錯体は、固体状態・溶液状態（トルエン・ジクロロメタン）で行った。
SQUID測定 ： MPMS-7を用いて測定を行った。2K～300Kまでの温度範囲のMTカーブの測定を行った。
単結晶X線測定 ：　Rigaku社製MERCURY CCD-2を用いて、100Kで単結晶X線結晶解説を行った。
３．結果と考察（Results and Discussion）
ESRやSQUIDなどの磁気測定によって、ランタン型ルテニウム錯体において、新規なスピン状態をもつ錯体の合成を確認した。多核フタロシアニン金属錯体の磁気測定を行い、金属間相互作用について検討を行い、長距離金属管相互作用を確認した。
４．その他・特記事項（Others）
なし
５．論文・学会発表（Publication/Presentation）
論文
(1) Y.Ide, T. Ikeue, Y. Kataoka, R. Inoue, M. Nakamura,
D. Yoshioka, M. Mikuriya, T. Kawamoto, M. Handa, Journal of Organometallic Chemistry 803 (2016) 92-103
(2) T.Kato, T. Ikeue, Y. Suzuki, M.Handa, Analytical Science, 23(2016)141-147
(3) M. HANDA, K.TAKAHASHI, A. INOUE, T.IKEUE,
D. YOSHIOKA, M. MIKURIYA, X-ray Structure Analysis Online 2015, VOL. 31, 31-32.
学会
(1) 藤城 零, 和田和樹, 池上崇久, 杉森 保, 半田 真, 環周辺にカルボキシフェニルオキシ基を導入した水溶性フタロシアニン亜鉛(II)錯体の合成と性質, 日本化学会第95春季年会, 3F6-31, 千葉 (2015年3月).
(2) 池上崇久, 村井菜味, 桑原孝光, 山田祐也, 池崎 章, 中村幹夫, 半田 真, クロリンおよびバクテリオクロリンの金属錯体の合成と性質, 日本化学会第95春季年会, 2PA-021, 千葉 (2015年3月).
(3) 藤城 零, 池上崇久, 杉森 保, 半田 真, 位または位に水溶性置換基を導入したフタロシアニン亜鉛(II)錯体の合成と性質, 錯体化学会第65回討論会, 2PA-81, 奈良 (2015年9月).
(4) 池上崇久, 平岡勇哉, 中村幹夫, 御厨正博, 吉岡大輔, 片岡祐介, 広光一郎, 半田 真, ランタン型ルテニウム(II,III)二核錯体の構造と磁気学的性質およびスピン分布, 錯体化学会第65回討論会, 2PB-21, 奈良 (2015年9月).
(5) 池崎 章, 小野順平, 池上崇久, 中村幹夫, テトラアルキルクロリン鉄錯体のNMR研究, 錯体化学会第65回討論会, 2PE-17, 奈良 (2015年9月).
６．関連特許（Patent）
該当なし