利用報告書

新規燃料電池触媒のスケールアップ技術の開拓
毛利 淳一郎
株式会社ネクストチェンジ

課題番号 :S-19-KU-0006
利用形態 :共同研究
利用課題名(日本語) :新規燃料電池触媒のスケールアップ技術の開拓
Program Title (English) :Development of the scale-up synthesis of novel fuel cell electrocatalyst
利用者名(日本語) :毛利 淳一郎
Username (English) :J.Mouri
所属名(日本語) :株式会社ネクストチェンジ
Affiliation (English) :Next Change, Co., Ltd.

1.概要(Summary )
燃料電池は次世代発電機として普及が期待されている。普及のためには低白金化による低コスト化と高耐久化を同時に実現する必要がある。九州大学において従来触媒である白金担持カーボンブラックを改良した、白金担持高分子被覆カーボンブラックを開発している。本触媒はカーボンブラックにポリベンズイミダゾール(PBI)と呼ばれる高分子を被覆した後に白金担持を行うことで、白金利用率と耐久性が向上することが見出されている。
本新触媒の普及を目指し、大量合成技術を確立し、起業をめざしている。本研究ではナノテクノロジープラットフォームの合成支援を受け、大量合成技術のプロセス検討を行うのが目的である。

2.実験(Experimental)
利用装置:合成・透過型電子顕微鏡
PBIをジメチルアセトアミドに溶解した後にカーボンブラック(CB)を添加し、シェーカーによる振とうを行った後、吸引ろ過によって回収した。ここで、従来法のように回収した複合体(PBI被覆CB)を乾燥させず、そのまま白金担持プロセスに移行した。

3.結果と考察(Results and Discussion)
前年度の支援により、CBのPBI被覆については大量合成が達成できたものの、白金担持における大量スケール化において、従来条件と比較した高濃度化を進めたところ、10倍濃縮条件において担持の不均一性が見られた。そこで、この原因が白金担持前の分散工程にあると考え、乾燥過程を省略することを検討した。
 図1には新しい大量合成プロセスで合成したPBI被覆CBの透過型電子顕微鏡写真(TEM写真)を示した。

図1.PBI被覆CBのTEM写真

従来より10倍の濃度で担持を行った場合においても良好な担持ができていることが確認できた。
 これまでの研究を通して、1Lスケールの合成で2gの白金担持触媒を合成する手法の開発に成功している。同様の条件を担持体をCNTに替えた際にも実現できるかについて今後検討を進める。また、カーボンブラックについて、Vulcanからアセチレンブラックに変更した際においても大量合成に成功している。今後、セル評価し、大量合成品と従来条件合成品との比較を行い、品質の管理を行う予定である。

4.その他・特記事項(Others)
TEM測定、PBI被覆カーボンブラックの合成および白金担持触媒合成は九州大学ナノテクプラットフォームの柿田有理子氏と荒谷弘幸氏に、井手奈都子氏に実施頂いた。ここに謝意を示す。

5.論文・学会発表(Publication/Presentation)
該当なし
6.関連特許(Patent)
該当なし

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