課題番号 ：S-15-OS-0031
利用形態 ：機器利用
利用課題名（日本語） ：新規磁気粒子イメージング法の臨床応用を目指したトレーサー開発
Program Title (English) ：Development of Novel MPI Tracers for its Clinical Application
利用者名（日本語） ：村瀬研也
Username (English) ：K. Murase
所属名（日本語） ：大阪大学, 医学系研究科, 保健学専攻
Affiliation (English) ：Division of Health Science, Grad. School Med, Osaka University.

１．概要（Summary）
磁気粒子イメージング法(Magnetic Particle Imaging: MPI)においてトレーサーとして用いられる酸化鉄ナノ粒子を各種の修飾によって改良し、そのMPI信号特性・生理的作用とともに、物理化学的性状を検証する。

２．実験（Experimental）
【利用した主な装置】
ナノ粒子解析装置（ゼ－タサイザー）, シスメックス”NANO-ZS”
【実験方法】
動的光散乱法を用いたナノ粒子解析により、プロタミン・ヘパリン存在かにおけるカルボキシデキストラン被覆酸化鉄ナノ粒子の流体力学的半径・ゼータ電位を測定した。

３．結果と考察（Results and Discussion）
　プロタミンの添加群において、容量依存的に流体力学的半径の増加が観察された (Fig. 1)。一方で、ヘパリン添加群においては、そのような変化は明確に認められなかった。ゼータ電位測定においては、プロタミン添加群・ヘパリン添加群のどちらにおいても明確な変動は認められなかった (Fig. 2)。
　流体力学的半径の増大の原因として、表面に存在するカルボキシル基によって負に帯電した磁性体ナノ粒子と、正に帯電していることが知られているプロタミンが複合体を形成したことが考えられる。そうした一方でゼータ電位に変動が見られなかった原因として、コロイド状のナノ粒子の溶媒として用いたRPMI細胞培養液中の電解質の影響が考えられる。

Fig.1 Hydrodynamic diameters of the Carboxydextran-coared magnetic nanoparticles in the presence of protamine and/or heparin

Fig.2 Zeta potentials of the magnetic nanoparticles in the presence of protamine and/or heparin

４．その他・特記事項（Others）
なし。

５．論文・学会発表（Publication/Presentation）
Different Behavior of MPI Signals from Magnetic Nanoparticles Internalized by Macrophages and Colon Cancer Cells, Hisaaki Suzuka, Atsushi Mimura, Yoshimi Inaoka, Kohei Nishimoto, Natsuo Banura, Kenya Murase, 6th International Workshop on Magnetic Particle Imaging, March 16-18, 2016, Lübeck, Germany

６．関連特許（Patent）
なし。