利用報告書

昆虫のクチクラの微細構造の解析
安藤俊哉
基礎生物学研究所

課題番号 :S-19-MS-1044
利用形態 :施設利用
利用課題名(日本語) :昆虫のクチクラの微細構造の解析
Program Title (English) :Morphological analyasis of insect cuticle fine structures
利用者名(日本語) :安藤俊哉
Username (English) :Toshiya Ando
所属名(日本語) :基礎生物学研究所
Affiliation (English) :National Institute for Basic Biology

1.概要(Summary )
昆虫クチクラの表面・内部には、超撥水性・構造色・フィルター制御など様々な機能性微細繰り返し構造が存在することが知られている。本研究では、昆虫ごとの微細構造を観察し、その特性を理解することを目指して、FE-SEMを用いて昆虫クチクラの内部構造の観察を試みた。さらに、名古屋大学の共同利用研究を紹介していただき、オスミウムコーティング装置を利用してコーティング条件の検討を行った。
また、昆虫クチクラのUV領域の光の反射特性を調べる目的で、積分球を備えた分光光度計が利用可能であるかを検討した。サンプルのマウント条件の検討が必要であるが、反射スペクトルを得られることが明らかとなった。

2.実験(Experimental)
野生型と遺伝子変異を持つカイコの翅の鱗粉の表面構造の違いを明らかにする目的で、日立ハイテクノロジーズ SU6600 BrukerAXS FQ5060/XFlash6を利用した翅のクチクラ表面のFE-SEM解析を行った。
UV反射性構造色を有するキチョウの翅の反射スペクトルを明らかにする目的で、紫外・可視・近赤外分光光度計(Shimadzu UV-3600Plus)を利用した反射スペクトル解析を行った。

3.結果と考察(Results and Discussion)
 遺伝子変異を有するカイコ変異体の翅の表面において、サブマイクロメートルスケールの形態異常が見出された。今後、TEMを用いて、外皮クチクラが形成される蛹の時期の細胞と外皮の形態異常を調べることで微細構造形成原理に迫ることができるだろう。
 クリアファイルの切れ端で作製したガスケットにキチョウの翅を挟むことで、UV反射スペクトルの測定を行うことに成功した。サンプルに傷つけずに安定的にサンプルをマウントするのが困難であるため、多サンプルを解析する際には、今後マウントの方法を工夫する必要があるだろう。

4.その他・特記事項(Others)
謝辞
FE-SEMのサンプル調製・解析を進める上で、分子科学研究所・機器センターの石山修氏にサポートしていただいた。反射スペクトル解析を進める上で、分子科学研究所・UVSORの藤本將輝氏にサポートしていただいた。この場を借りて感謝申し上げる。

5.論文・学会発表(Presentation)
安藤俊哉, 日本動物学会第90回大会, 令和元年9月12日

6.関連特許(Patent)
なし。

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