利用報告書
課題番号 :S-15-NU-0008
利用形態 :技術代行
利用課題名(日本語) :染色技術の向上
Program Title (English) :
利用者名(日本語) :中村 誠一
Username (English) : S. Nakamura
所属名(日本語) :大阪染工株式会社
Affiliation (English) :Osakasenko Co., Ltd.
1.概要(Summary )
染色加工技術の向上に取り組むため、製造工場の状況把握から開始することにした。製造工程で確認された付着物についての同定をまず行うことにした。今回は、試料の状況に応じてどのような測定が可能であるかを確認するのみであるが、結果を踏まえて今後の展開を計画していく。
2.実験(Experimental)
・ レーザーラマン分光光度計(JASCO社製NRS-1000)
・ フーリエ変換型赤外分光装置(JASCO社製FT-IR-680 Plus) KBr錠剤法およびATR法で測定。
・ NMR(500MHz)装置(Agilent製UNITY INOVA 500) 測定溶媒をDMSO-d6および重水として1H NMRを測定した。
3.結果と考察(Results and Discussion)
図1に繊維状付着物のFT-IRスペクトルを示す。測定はATR法により実施した。セルロース系繊維であることを確認した。ラマンスペクトルは試料からの蛍光の阻害を受けるため、良い測定をすることができなかった。
図2には、粉末状試料のKBr法で測定したIRスペクトルを示す。試料A,Bは染料系の化合物であり、秘本的には同一のものであることを認めた。本試料についても蛍光の影響を受けるため、ラマンスペクトルを得ることはできなかった。NMR測定は、重水およびDMSO-d6を溶媒として用いて実施した。溶媒の違いにより、溶媒そのものによるシグナルの出方が違うので、相補的に情報を得ることができた。
図1. 試料AのFT-IRスペクトル(ATR法)
図2.粉末試料2種のFT-IRスペクトル(KBr法)
4.その他・特記事項(Others)
NMRスペクトルの測定は近藤一元氏、レーザーラマンスペクトルの測定は鳥居実恵氏、FT-IRの測定は伊藤始氏に実施していただいた。
5.論文・学会発表(Publication/Presentation)
なし
6.関連特許(Patent)
なし







