利用報告書

機械解繊による、木質の水分散セルロース及び触媒処理後水分散セルロースの電子 顕微鏡観察
加藤進
株式会社加藤バイオマステクノロジー

課題番号                :S-19-CT-0131

利用形態                :技術代行

利用課題名(日本語)    :機械解繊による、木質の水分散セルロース及び触媒処理後水分散セルロースの電子 顕微鏡観察

Program Title (English) :Electron microscopic observation of wood-based mechanically defibrated water-dispersed cellulose and catalyst-treated water-dispersed cellulose

利用者名(日本語)      :加藤進

Username (English)     :S.Kato

所属名(日本語)        :株式会社加藤バイオマステクノロジー

Affiliation (English)  :Kato Biomass Technology Co., Ltd.

 

 

1.概要(Summary )

木質は、セルロース・ヘミセルロース・リグニンで形成し、その中のセルロースは、新素材として注目されているが、ヘミセルロースやリグニンがセルロースに強固に絡みついている為、これを解きほぐす「解繊」技術を要す。本研究課題では、弊社所有の特殊機械を利用する事で、18秒で解繊することの証明として、水分散セルロース及び触媒処理後水分散したセルロースの繊維形態の観察を行う為、公立千歳科学技術大学ナノテクノロジープラットフォーム事業に技術補助をお願いした。

 

2.実験(Experimental)

原料はオノエヤナギのおが粉(5㎜以下分級なし、国立大学法人北海道大学工学研究院より提供)を特殊機械により18秒間で処理し得られた解繊木質処理物を、バイアル瓶に解繊木質処理物4 gを計り取り、水(pH6.0)50 gを入れ撹拌後、水分散したセルロースの水溶液を試料①とした。バイアル瓶に解繊木質処理物4gを計り取り、水(pH6.0)100gを添加後、セルラーゼ(エイチビ-アイ㈱セルロシンAL8)0.4%水溶液を添加し、50℃で2時間かけて糖化、その後固液分離した水溶液を試料②とした。試料①②各々カーボンテープ上もしくは試料台上にスポットし、50℃で減圧乾燥を行った。オートファインコーターを用いて白金によるスパッタ処理を行い、電界放出型走査型電子顕微鏡(FE-SEM)で観察を行った。

利用装置:FE-SEM(JSM-7800F)

 

3.結果と考察(Results and Discussion)

水溶液中セルロースのFE-SEM写真を図に示す。セルロースを写真に収める事ができたことから、特殊機械から得られた処理物は、18秒で解繊する事ができ、その処理物に水を添加するだけでセルロースが水分散(試料①)すること、また触媒処理後に水分散したセルロース(試料②)を示すことができた。今後はさらに詳細について評価を行う予定である。

 

 

 

 

 

 

試料① 水分散後セルロース

 

 

 

 

 

 

 

試料② 触媒処理後水分散セルロース

図 セルロースFE-SEM写真

 

4.その他・特記事項(Others)

<謝辞>

FE-SEMによる観察で技術補助頂いた公立千歳科学技術大学ナノテクノロジー支援事業の河野敬一氏と伊勢崎政美氏に感謝いたします。

 

5.論文・学会発表(Publication/Presentation)

なし。

 

6.関連特許(Patent)

(1) 加藤 進 “破砕・爆砕装置及び製粉方法”, 特許第6430956号, 平成30年11月9日(登録日)

(2) Susumu Kato “CRUSHING/BLASTING DEVICE MILLING METHOD, CEREAL FLOUR, FOOD PRODUCT, AND ADHESIVE”

Patent No.: US 10,213,789 B2

Date of Patent: Fed.26, 2019

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