利用報告書
課題番号 :S-17-CT-0097
利用形態 :共同研究
利用課題名(日本語) :機能性バイオミミクリーコーティング材の開発
Program Title (English) :Development of a functional biomimicry coating material
利用者名(日本語) :小金涼恵, 川崎実
Username (English) :S.Kogane, M.Kawasaki
所属名(日本語) :株式会社アイ・ビー・エス
Affiliation (English) : I・B・S, Co., Ltd.
1.概要(Summary)
コーティング材の機能としては、遮熱、導電性、防菌などあり、バイオミミクリー材としてキトサンの抗菌性が知られている。1)本申請課題では、千歳科学技術大学分子物質合成プラットフォームの分子物質合成技術を使いキトサンハイブリット材を製作し、電子顕微鏡を用いて形状観察を行い、GC/MSによりたばこの煙の消臭評価を行った。
2.実験(Experimental)
平均粒子径300nm多孔質TiO2と粒子径280nm SiO2とキトサンの比を10:10:1でキトサンハイブリット材を製作した。
次に、電界放出形走査電子顕微鏡FE-SEM(日本電子社製JSM-7800F、千歳科技大NP登録)を用いて観察を行った。次に、キトサンハイブリット材3g を通過させたたばこの煙を活性炭に吸着させ、GC/MSを用いて消臭評価を行った。
3.結果と考察(Results and Discussion)
電子顕微鏡で観察した結果を図1に、SiとTiとOの元素マップを図2に示す。
図1、2より、平均粒子径300nm多孔質TiO2と粒子径280nm SiO2がハイブリット化していることが観察された。これは、キトサンをホストにゲストに多孔質TiO2とSiO2をハイブリット化した考えられる。
図1.ハイブリット材のSEM像
図2.TiとSiとOの元素マップ
活性炭とキトサンハイブリット材の測定結果を図3に示す。
図3.たばこの煙のGC/MS
図3より、たばこの煙がキトサンハイブリット材を通過すると保持時間7minのピロールピークが消滅した。キトサンハイブリット材では、光散乱による光触媒効果と抗菌性!1)によって分解消滅したと考えられる。たばこの煙の特徴であるニコチン(保持時間19min)2)のピークが測定されなかったのは、カラム温度の高温での保持時間がないためであると考えられる。
謝辞
本研究にあたり、ご協力いただいた千歳科学技術大学のOlaf karthaus先生、山崎郁乃技術員に深く感謝の意を表します。
4.その他・特記事項(Others)
1)鶴谷 勝正他;繊維学会誌,Vol50,No.5,219- 220 (1994)
2)森北 浩通他;におい・かおり環境学会誌Vol.38,No.4,282 (2007)
5.論文・学会発表(Publication/Presentation)
1)小金涼恵他;第7回JACI/GSCシンポジウム
(平成30年6月15日発表)
6.関連特許(Patet)
なし