利用報告書

機能性医薬品添加剤の研究開発
齋藤宏之
株式会社ファーマビヨンド

課題番号 :S-19-NM-0021
利用形態 :機器利用
利用課題名(日本語) :機能性医薬品添加剤の研究開発
Program Title (English) :Research and development of functional pharmaceutical additives      利用者名(日本語) : 齋藤宏之
Username (English) :Hiroyuki Saito
所属名(日本語) :株式会社ファーマビヨンド
Affiliation (English) :Pharmabeyond, Co., Ltd.

1.概要(Summary)
医薬品の機能を向上させる手段としてドラックデリバリーシステムがある。これは、リポソームや高分子ミセル等を利用し、薬物を患部のみに運び、薬効を発現させるシステムである。しかしながら、実際は完全な薬物のデリバリーは実現されておらず、少なからずの副作用があるのが現実である。それは、患部に届く前に薬物が漏れ出てしまい、正常細胞に悪影響を及ぼすためである。
高分子ミセルは、親水部と疎水部を持つポリマーからなり、疎水部を核としてナノミセルを形成する。よって、疎水部を改変することで、薬物の遊離をコントロールすることが可能である。つまり、疎水性が高ければ薬物は遊離しにくく、低ければ遊離しやすくなる。今回、アクリル系ポリマーにおいて、異なる重合反応を行うことで、疎水基の密度を変えられるか検討を行った。つまり、下図に示すように、通常アクリル系ポリマーはオレフィンを利用した重合を行うが、疎水基の密度が低くなる。今回は、ジアゾアセテート基を重合基として反応を行い、疎水基の密度を上げる検討を行った。

図1. 重合反応の違いによるポリマー構造の違い

2.実験(Experimental)
本実験は以下の機器を利用した
〈合成機器〉
・ドラフトチャンバー図2. モノマーの構造
・エバポレーター
〈分析機器〉
・1H-NMR
・GPC
3.結果と考察(Results and Discussion)
図2に示す2種のモノマーを合成した。
ビニル基はAIBN、ジアゾアセ    図2. モノマーの構造
テート基はAllylpalladium(II) Chloride DimerとSodium Tetraphenylborateを用いて重合を行った。反応後GPCを測定し、どちらも分子量15,000程度のポリマーが生成していることを確認した。
 構造の違いは1H-NMRによる側鎖の導入数にて比較し、ジアゾアセテート基から合成したポリマーの疎水基導入数が約2倍となった。今後、性能評価を行う予定である。
        
4.その他・特記事項(Others)
機器の利用にあたり李潔博士、服部晋也博士の支援を受けた。

5.論文・学会発表(Publication/Presentation)
なし

6.関連特許(Patent)
なし

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