利用報告書

炭のアルカリ処理による酸性官能基量の変化
河合瞭
中京大学工学部機械システム工学科 野浪研究室

課題番号                :S-20-NU-0039

利用形態                :技術代行

利用課題名(日本語)    :炭のアルカリ処理による酸性官能基量の変化

Program Title (English) :

利用者名(日本語)      :河合瞭

Username (English)     :R. Kawai

所属名(日本語)        :中京大学工学部機械システム工学科 野浪研究室

Affiliation (English)  :Nonami Lab、Chukyo University

 

 

1.概要(Summary )

炭をアルカリ溶液に浸漬することで炭表面の官能基にどのような変化が生じるのかを調査する。炭はアルカリ処理することで酸性官能基が増加すると考えられるため、アルカリ処理した炭の酸性官能基量を未処理の炭と比較し検討する。

 

2.実験(Experimental)

名古屋大学分子・物質合成プラットフォーム様の技術代行でフーリエ変換型赤外分光装置(JASCO社製FT-IR-680 Plus)を用いて未処理とアルカリ溶液に浸漬して処理した炭のFT-IR解析を行った。また、ピーク強度から官能基量を定量するため炭に対しチオシアン酸ナトリウムを重量比で炭に12.2%加えた試料の測定も行った。

 

3.結果と考察(Results and Discussion)

Fig. 1にFT-IRの結果を示す。3300cm-1付近でヒドロキシ基による吸収が見られた。また1700cm-1付近でカルボ二ル基の吸収が観測された。これらはフェノール性ヒドロキシ基のO-H伸縮運動とカルボキシル基由来のC=O伸縮運動ではないかと推測する。したがって、炭表面には酸性の官能基が存在していると考える。

Fig. 2にチオシアン酸ナトリウムを添加した炭のFT-IR結果を示す。2070cm-1にチオシアン酸ナトリウムによるピークが確認できた。このピークを基準として3300cm-1付近のピークの大きさを評価したところ、アルカリ処理(NaOH)が未処理の約1.1倍となり最も大きなピークとなった。アルカリ処理により酸性官能基量が増加したのであろう。

 

 

 

Fig. 1. FT-IR分析結果

Fig. 2. FT-IR分析結果(NaSCN添加)

 

4.その他・特記事項(Others)

支援者:坂口 佳充・伊藤 始

 

5.論文・学会発表(Publication/Presentation)

なし。

 

6.関連特許(Patent)

なし。

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