利用報告書

無機系キラル結晶微細デバイスの作製
塩田 航平1), 松島 陽介1), 西上 勇希1),大江 一希1), 保坂 悠太1),尾藤 健祐1),宍戸 寛明1), 戸川欣彦1) (1) 大阪府立大学 工学研究科 電子物理工学分野)

課題番号 :S-20-MS-3002
利用形態 :施設利用
利用課題名(日本語) :無機系キラル結晶微細デバイスの作製
Program Title (English) :Fabrication of micro-sized devices using inorganic chiral crystals
利用者名(日本語) :塩田 航平1), 松島 陽介1), 西上 勇希1),大江 一希1), 保坂 悠太1),尾藤 健祐1),
宍戸 寛明1), 戸川欣彦1)
Username (English) :K. Shiota1), Y. Matsushima1), Y. Nishiue1), K. Ohe1), Y. Hosaka1), K. Bito1),
H. Shishido1), Y. Togawa1)
所属名(日本語) :1) 大阪府立大学 工学研究科 電子物理工学分野
Affiliation (English) :1) Department of Physics and Electronics, Osaka Prefecture University

1.概要(Summary )
キラルな物質が示すスピン偏極流を検出するため無機キラル結晶から成る微細デバイスを作製している。分子研・ナノテクノロジープラットフォームに整備された電子線描画装置やマスクレス露光機などのリソグラフィ関連装置や高真空スパッタ装置などを用いてデバイス作製手順の効率化を図る。
2.実験(Experimental)
あらかじめ集束イオンビーム加工(FIB)装置を用いてバルク結晶から精密に切り出した微細片を基板上に配置する。その試料上に、分子研・ナノテクノロジープラットフォームで提供される電子線描画装置や高真空スパッタ装置を用いて電極を配置することでキラル無機結晶微細デバイスを作製する。
3.結果と考察(Results and Discussion)
試料特性の評価には結晶方位の制御が重要である。FIB装置のマイクロサンプリングツールを用いて基板上へ試料を精密に配置する。Fig.1にスピン偏極流の電気計測用に作製した試料を示す。この場合、結晶主軸がデバイス試料の長軸方向を向いている。このような試料上に高品質電極を作製した。複数の参照電極を設けて、所望のキラル無機結晶微細デバイスとする。
微細デバイスの作製過程の効率化が課題となっている。そこで、分子研・ナノテクノロジープラットフォームに整備されているマスクレス露光機などの最先端装置のリソグラフィ関連装置やレーザー加工機を活用して、デバイス作製を進めている。
4.その他・特記事項(Others)
本申請と並行して、「無機系キラル結晶におけるキラル誘起スピン選択性」と題して、分子研・山本グループとの協力研究(ナノテクノロジープラットフォーム)を行っている。本申請はこれに密接に関連しており、研究目標の達成に必要となるデバイス作製の基盤技術を確立することを目指している。微細デバイスを作製するにあたり、分子研・山本グループから技術支援いただいた。特に、山本浩史教授と廣部大地博士の協力を得て、実験を進めた。
5.論文・学会発表(Publication/Presentation)
(1) A.Inui, R.Aoki, Y.Nishiue, K.Shiota, Y.Kousaka, H.Shishido, D.Hirobe, M.Suda, J.Ohe, J.Kishine, H.M.Yamamoto, and Y.Togawa, Physical Review Letters Vol.124,(2020)p.p.166602/1-6.
(2) 塩田航平,松島陽介, 分子科学研究所装置開発室/活動報告集 Annual Report 2020,p.15.
(3) 戸川欣彦,日本物理学会第76回年次大会(2021年), (令和3年3月12日).
6.関連特許(Patent)
(1) 戸川欣彦、宍戸寛明、山本浩史,“キラル物質装置”, 特開2020-188202, 令和2年11月19日

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