利用報告書

生体イメージング用プローブ素材の蛍光スペクトル分析
日沼州司
千里金蘭大学、生活科学部、食物栄養学科

課題番号 :S-13-KU-0007
利用形態 :共同研究
利用課題名(日本語) :生体イメージング用プローブ素材の蛍光スペクトル分析
Program Title (English) :Analysis for fluorescence spectrum in materials to use in vivo imaging
利用者名(日本語) :日沼州司
Username (English) :S. Hinuma
所属名(日本語) :千里金蘭大学、生活科学部、食物栄養学科
Affiliation (English) : Depertment of food and nutrition, Faculty of life sacience, Senri University

1.概要(Summary )
これまで生体イメージングで使用されてきた蛍光プローブは、検出感度は非常に高いが、生体組織(血液、臓器、皮膚等)による吸収、散乱によってMRIやCTなど他のモダリティと比べ空間解像度が低く、形態学的情報・深部情報が少ない。光の吸収、散乱の少ない近赤外領域で発光する蛍光プローブを用いることにより高解像度、高深部データが獲得できることが期待できる。本研究代表者らは、近赤外蛍光を有し生体投与可能な原料となりうる候補物質について、ナノテクノロジープラットフォームの測定機器を利用して励起および蛍光スペクトル解析を実施し、目的とするデータを取得することができた。

2.実験(Experimental)
蛍光スペクトル分析用の試料は、クロロホルムあるいはDimethyl sulfoxideなどの有機溶媒に約1mg/mlの濃度で溶解した。試料の励起および蛍光発光スペクトル分析はHoriba JOBIN YVON Fluorolog-3およびHoriba JOBIN YVON NanoLOG-EXTを用いて実施した。

3.結果と考察(Results and Discussion)
複数種の素材についてスペクトル解析を実施いた結果、励起波長域が800nm~900nmで蛍光発光が850~950nm付近の近赤外領域に強い蛍光を有する素材などをいくつか見出すことができた。これらの素材はさらに生体適合性を高めるための加工を必要とするので、今後、加工後のスペクトルの変化等を確認する必要があるが、少なくとも生体イメージング用の素材が存在し、ナノテクノロジープラットフォームの測定機器を利用して蛍光スペクトルの特性を分析する方法が有効なアプローチであることを確認することができた。

4.その他・特記事項(Others)
謝辞:スペクトル解析を実施していただいた九州大学、藤ヶ谷剛彦先生に深謝いたします。

5.論文・学会発表(Publication/Presentation)
なし

6.関連特許(Patent)
(1) 日沼州司, 曽我公平“バイオイメージング用蛍光標識剤”, 特開2014-231488, 平成26年12月

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