課題番号 ：S-17-JI-0047
利用形態 ：機器利用
利用課題名（日本語） ：発光ナノカーボンの水熱合成
Program Title (English) ：Hydrothermal synthesis of photoluminescent nanocarbons
利用者名（日本語） ：比江嶋祐介, 酒井直希
Username (English) ：Y.Hiejima, N. Sakai
所属名（日本語） ：金沢大学
Affiliation (English) ： Kanazawa University

１．概要（Summary ）
　回分式反応器を用い、様々な有機溶媒中において、ソルボサーマル合成した発光ナノカーボン(CDs)のTEM像の観察を行った。メタノール、ジメチルホルムアミド(DMF)、ホルムアミド(FA)中において合成したCDsは、光学特性が異なるものの、粒子サイズはいずれも1〜2 nm程度であり、ほとんど変化しないことが分かった。

２．実験（Experimental）
　合成したナノカーボンを水中に分散させた後、TEMグリッド（応研商事ハイレゾカーボンHRC-C10）上に付着させ、真空中にて乾燥した。日立ハイテクノロジーズ社製透過型電子顕微鏡 H-7650により、5×104倍、1×105倍、2×105倍にて観察を行った。

３．結果と考察（Results and Discussion）
　Fig. 1, 2にメタノールおよびDMF中にて200ºC、3 hの条件で合成したCDsの2×105倍のTEM像を示す。どの試料においても1-2 nmほどのCDsナノ粒子が観察され、粒径は溶媒の違いにほとんど依存しなかった。

Fig. 1 メタノール中で合成したCDsのTEM像 (d=1.4(±0.5) nm)

Fig. 2 DMF中で合成したCDsのTEM像 (d=1.4(±0.5) nm)

４．その他・特記事項（Others）
　TEM観察に際しては、東嶺孝一氏、小林祥子氏の技術支援を受けた。

５．論文・学会発表（Publication/Presentation）
(1) Y. Hiejima and M. Kanakubo, Journal of Solution Chemistry,Vol.45（2016）p.p.1560-1570.
(2) 酒井直希, 比江嶋祐介, 新田晃平，化学工学会第83年会, 平成30年3月13日

６．関連特許（Patent）
(1) 比江嶋祐介，林拓道，金久保光央“発光性ナノカーボン製造法”, 特開2017-043539, 平成29年3月2日