利用報告書

発光性マイクロ液滴の共振器特性探索
山岸 洋1)
1) 筑波大学数理物質系

課題番号 :S-19-NM-0033
利用形態 :機器利用
利用課題名(日本語) :発光性マイクロ液滴の共振器特性探索
Program Title (English) :Investigation of optical resonance of luminescent microdroplets
利用者名(日本語) :山岸 洋1)
Username (English) :H. Yamagishi1)
所属名(日本語) :1) 筑波大学数理物質系
Affiliation (English) :1) Faculty of Pure and Applied Sciences University of Tsukuba

1.概要(Summary)
本研究では、発光性色素を溶解させた有機溶媒の微少液滴を利用し、外部環境に敏感に応答する光共振器の作製を目指す。発光性色素としてローダミン誘導体など、有機溶媒としてグリセリンを用いる。基板には、撥水処理を行った石英・ガラス・銀・ITO基板、および対照実験として無垢基板を用いる。これらの基板上にグリセリン溶液を滴下し、直径数マイクロメートルほどの液滴を形成した後、その光共振器特性を探索する。
 先行研究から、光共振器の性能向上には大きな接触角が有利であることが既に明らかになっている。本研究においても光共振器特性が接触角により大きく左右されると考えられることから、これを測定する予定である。

2.実験(Experimental)
【利用した主な装置】
 接触角測定装置

【実験方法】

15 x 15 mmの石英基板上に、市販の超撥水スプレー(NTT-AT社製 HIREC)を数秒間噴射し、室温大気下で放置することで超撥水基盤を作成した。対照実験用に、超撥水スプレーを塗布していない基盤も用意した。関東化学より購入したグリセリンをそのままの状態で液体として使用した。

AST PRODUCTS社製 VCA Optima-XEを用い、接触角を測定した。

室温においてマイクロシリンジを用いて基板上に2 µLの液滴を静かに滴下し、側面から顕微画像を取得することで接触角を測定した。得られた顕微画像を付属アプリケーションで解析し、液滴の外形と接触角を算出した。

3.結果と考察(Results and Discussion)

超撥水基板上では、グリセリンの接触角が149.2°であった(Fig. 1a)一方、コーティングしていない石英基板では 56.3°であった(Fig. 1b)。この結果は、超撥水性基盤が水のみならずグリセロールに対しても高い撥液性を有することを示す。グリセリンの表面張力(64.00 mM/m)が水(72.8 mN/m)とほぼ同等程度に大きいことに加え、比誘電率もまた大きく(グリセリン: 46.5、水: 80)、基盤に対する親和性が似ていることが原因だと考えられる。

4.その他・特記事項(Others)

本研究は以下の競争的資金に関連した研究である。
科研費 基盤研究A (JP16H02081)
科研費 若手研究 (JP19K15334)

装置の使用にあたってはNIMS李潔氏の支援を受けた。

5.論文・学会発表(Publication/Presentation)
(1)藤田圭太郎; 山岸 洋;山本洋平, On-Substrate Droplet Optical Resonator For Precise Chemical and Physical Sensing, 高分子学会関東支部茨城地区研究交流会, 2019-10-31
(2) 藤田 圭太郎; 山岸 洋; 山本 洋平, 基板上の微小液滴光共振器を用いた高感度温度センサーの実現, 第69回高分子学会年次大会, 2020-05-27

6.関連特許(Patent)
特になし。

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