利用報告書
課題番号 :S-16-NI-05
利用形態 :共同研究
利用課題名(日本語) :真空紫外蛍光材料KMgF3のナノ粒子化及び高品質薄膜作製
Program Title (English) :Synthesis of KMgF3 nanoparticles and high quality thin films
利用者名(日本語) :村松 宗太郎1),小野 晋吾1),吉川 彰2)
Username (English) :Sotaro Muramatsu1), Shingo Ono1), Akira Yoshikawa2)
所属名(日本語) :1) 名古屋工業大学, 2) 東北大学
Affiliation (English) :1) Nagoya Institute of Technology, 2) Tohoku University
1.概要(Summary )
現在,真空紫外光源はガス光源に限られており,それらはガスの交換が必要である上に安定性や安全性,寿命等に問題を抱えている.ガスに代わる固体蛍光体の開発として我々はワイドギャップ材料であるフッ素化合物に着目し,パルスレーザー堆積法により作製した薄膜を蛍光体とした真空紫外光源の作製を行っている.本研究では真空紫外蛍光材料KMgF3に対してフェムト秒パルスレーザー堆積法を用いることでナノ粒子化及び,薄膜作製を行った.
2.実験(Experimental)
ナノ粒子作製においては,真空チャンバー内にKMgF3ターゲットを設置,フェムト秒レーザーパルスを集光照射し,Arガス圧を10-1-500 Paの範囲で制御することで,粒子径の制御を試みた.薄膜の作製においては,フェムト秒とナノ秒レーザーで作製した薄膜との比較を行った.ナノ粒子及び薄膜の表面観察は特型走査電子顕微鏡装置で行った.
3.結果と考察(Results and Discussion)
図1は各ガス圧下における数密度及び平均粒子径であり,ガス圧によって平均粒子径を10-60 nm の領域で制御可能であることを示した.
図1. 各ガス圧条件におけるKMgF3ナノ粒子(a) 数密度 (b) 平均粒子径
図2は,50 Paの条件で作製したナノ粒子から得られた電子線励起蛍光スペクトルである.波長180 nmにおけるピークは長波長側へ,波長150 nmのピークは短波長シフトが生じている.この結果から,コア-バレンス発光材料において,ナノ粒子化による発光波長の制御の可能性を初めて証明することができた.
図2. KMgF3ナノ粒子の蛍光強度
次にフェムト秒レーザー及び,ナノ秒レーザーで作製したKMgF3薄膜の表面観察像を図3に示す.ナノ秒レーザーで作製した薄膜では熱影響により溶融した平坦状のドロップレットが多く見られる.結晶性や元素組成分析の結果も,フェムト秒レーザーで作製した薄膜がより高品質であることを示している.
図3. KMgF3薄膜の表面観察像
(a) フェムト秒レーザー, (b) ナノ秒レーザー
4.その他・特記事項(Others)
なし
5.論文・学会発表(Publication/Presentation)
(1) S. Muramatsu, et. Al., Sci. Technol. Adv. Mater., 17, (2016)685-690.
(2) S. Ono, et. al., Collaborative Conference on Crystal Growth (3CG) 2016, September 7, 2016.
6.関連特許(Patent)
なし