利用報告書

縮退高濃度ホウ素ドープダイヤモンド多重積層構造におけるnmスケールの分散化プロセス
久世 純平, 別府 晟多
大阪大学 工学研究科 電気電子情報工学専攻

課題番号 :S-16-OS-0047
利用形態 :機器利用
利用課題名(日本語) :縮退高濃度ホウ素ドープダイヤモンド多重積層構造におけるnmスケールの
分散化プロセス
Program Title (English) :Development of process for nm-scale dispersion of heavily boron-doped degenerate thin layers in multilayered diamond
利用者名(日本語) :久世 純平, 別府 晟多
Username (English) :Junpei Kuse, Seita Beppu
所属名(日本語) :大阪大学 工学研究科 電気電子情報工学専攻
Affiliation (English) :Dept. Electrical and Electronic Information Engineering, Grad. School of Engineering, Osaka University

1.概要(Summary)
(1)縮退高濃度ホウ素ドープダイヤモンド多重積層構造に対して、 電子ビーム(EB)リソグラフィと選択エッチングを主体とする作製プロセスを用いて、高濃度ホウ素ドープ層をnmスケールの2次元周期構造に分散化した後、高移動度ダイヤモンド層に埋め込むための作製プロセスを開発する。また、(2)当該エッチングに不可欠な応力が小さいダイヤモンド上のハードマスクを作製するため、ラマン分光法によるハードマスク/ダイヤモンド間の応力測定を行う。
2.実験(Experimental)
【利用した主な装置】
高精細電子線リソグラフィ装置(ELS-7700T)
レーザーラマン顕微鏡(Raman-touch)
【実験方法】
(1)高圧合成Ibダイヤモンド上にCVD成長した縮退高濃度ホウ素ドープダイヤモンド多重積層構造に対して、ELS-7700Tを用いてレジストの単位構造(パターン)を作製し、その形状、大きさ、パターンピッチ等の条件を変え、一連のリソプロセス後作製できた構造を調査した。
(2)ハードマスクについては、Siターゲット反応性RFマグネトロンスパッタにより、原料ガス流量組成をパラメータとして形成したSiOx膜(ハードマスク)の組成とダイヤモンド基板(表面近傍)の応力との相関をSIMS測定とラマン分光法により調べた。
3.結果と考察(Results and Discussion)
(1)縮退高濃度ホウ素ドープダイヤモンド多重積層構造に対して、ELS-7700Tを用いてFig. 1のようなレジストの2次元周期構造をそれぞれパターン径300,400,500, 700,900 nmとして作製した。その作製状況をレーザー顕微鏡、及び原子間力顕微鏡(AFM)で評価した。その結果をFig. 2とFig. 3に示す。パターン径300,400 nmにおいては、パターニングが確認できず、500,700,900 nmにおいてはパターニングが確認できたが、意図したパターニング形状は得られておらず、さらなる適正化が必要である。

(2)Fig. 4に、SiOx膜の組成と対応するダイヤモンドのラマンシフトとの相関を示す。同図より、SiOx (x~1.3) 膜においてラマンシフトがほぼゼロとなっており、応力が殆ど発生していないことが分かる。また、同図の挿入図で示すように、アモルファスSi膜では発生したピーリングは当該SiOx膜では発生しなかった。これらのことから、当該SiOx膜はダイヤモンドと同程度の熱膨張係数をもつことが示唆され、目的とするダイヤモンドエッチングプロセスのハードマスクとして有用であることが分かった。

4.その他・特記事項(Others)
・関連する課題番号:F-16-OS-0058

5.論文・学会発表(Publication/Presentation)
(1) S.Beppu , O.Maida , T.Ito , 第64回応用物理学会
春季学術講演会 , 平成29年3月16日

6.関連特許(Patent)
なし。

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