利用報告書

脂肪化したヒト腱板筋における筋サテライト細胞の筋分化能の評価
萩原嘉廣
東北大学大学院医学系研究科

課題番号 :S-NM-0076
利用形態 : 共同研究
利用課題名(日本語) :脂肪化したヒト腱板筋における筋サテライト細胞の筋分化能の評価
Program Title (English) :Analysis of myogenic precursor cell features in rotator cuff tear with fatty infiltration
利用者名(日本語) : 萩原嘉廣
Username (English) : Y. Hagiwara
所属名(日本語) : 東北大学大学院医学系研究科
Affiliation (English) : Tohoku University Graduate School of Medicine

1.概要(Summary )
筋サテライト細胞は筋再生における幹細胞として位置づけられ、筋の再生機能維持に重要な役割を果たしていることは明らかなものの、脂肪萎縮した筋肉での再生能力について詳しいことは不明である。脂肪萎縮した筋肉中の筋サテライト細胞の筋分化能力を明らかとすることを目的として、マイクロアレイ解析により筋分化に関連する遺伝子群の同定を行うこととした。

2.実験(Experimental)
腱板断裂の患者から断裂して脂肪萎縮した棘上筋、断裂していない肩甲下筋を採取し、FACSにより筋サテライト細胞を採取。増殖・筋分化・脂肪分化培地にて培養後、total RNAを抽出し、RTによりcDNA作製後にマイクロアレイを用いて、遺伝子発現に関する網羅的解析を行った。コントロールとして断裂していない同一患者からの肩甲下筋を用いた。
利用した装置:マイクロアレイスキャナー、PCR

図 培養後のサテライト細胞(SSC, 肩甲下筋、SSP, 棘上筋)青:細胞核、赤:ミオシン重鎖

3.結果と考察(Results and Discussion)
マイクロアレイ解析により、棘上筋の筋サテライト細胞で2倍以上の発現が認められたものが増殖培地のものが4個、筋分化培地で3個確認された。2倍以上低いものが増殖培地で3個、筋分化培地で4個、脂肪分化培地で8個確認された。増強した遺伝子には炎症関与因子であるIL1beta遺伝子などが確認され、今後の発展性が期待される。

4.その他・特記事項(Others)
支援内容:マイクロアレイ解析についての計画段階からの相談、実験、データ解析。

5.論文・学会発表(Publication/Presentation)
M.Koide, Orthopaedic Research Society 2016
Annual Meeting 2016年3月7日
6.関連特許(Patent)
なし

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