利用報告書
課題番号 :S-19-NU-0049
利用形態 :機器利用
利用課題名(日本語) :脳梗塞後痙縮発症マウスを用いたマンガン造影MRIによるH反射誘発後の神経活動
の観察
Program Title (English) :Analysis of neuronal activity using with manganese-enhanced MRI in induction
of Hoffman reflex of stroke mice with spasticity
利用者名(日本語) :伊住祥吾1), 杉浦健司2), 李佐知子2)
Username (English) : Shogo isumi1), Kenji Sugiura2), Sachiko Lee2)
所属名(日本語) :1)名古屋大学医学部保健学科, 2)名古屋大学大学院医学系研究科
Affiliation (English) :1)School of Health Sciences, Nagoya University, 2)Graduate School of
Medicine, Nagoya University
1.概要(Summary )
中枢神経損傷後に運動機能障害の一つとして痙縮が出現する。痙縮は中枢神経損傷後に生じる運動機能低下からの機能改善の阻害因子となり、患者の日常生活活動の回復も妨げ、介護度を上げる要因である。痙縮の治療には、筋収縮を阻害するボツリヌス注射が選択されるが、ボツリヌス注射は随意運動そのものも阻害するため、運動機能改善においては有効な治療ではない。痙縮の病態メカニズムは長らく不明であり、効果的な治療法の開発が遅れている。そこで、脳梗塞後痙縮発症マウスを用い、痙縮出現を電気刺激で誘発した際の脳活動を、動物用のMRI(図1)で観察を行うことにした。
2.実験(Experimental)
現在ファントムを用いてシークエンスの検討をおこなっている。
T1値の定量測定のため、Inversion Recovery-Variable Inversion Time(IR-VTI),3D
図1 実験小動物用MRI
Gradient Echo-Variable Flip Angle(GE-VFA)、およびFast Spin Echo-Variable Repetition Time(FSE-VTR)の3つの撮影シークエンスを用いてT1 の測定を行い、データの正確性、撮影時間、および時間分解能の検討を行なった。
3.結果と考察(Results and Discussion)
今回使用した全てのシーケンスでMnCl2濃度依存的なT1値の短縮及びR1値の増加が確認された。今回T1値の基準としたIR-VTIで得られたデータとGE-VFA,FSE-VTRで得られたT1値の回帰分析を行ったところ,互いに高い相関が得られた。撮像時間としては3DでありながらもGE-VFAが最も短時間での撮影が可能であった。生体での撮影にはIR-VTIと比較しT1値の違いはあるが短時間で3D撮影が可能であるGE-VFAシーケンスを採用する。
4.その他・特記事項(Others)
なし
5.論文・学会発表(Publication/Presentation)
Lee S*, Uchiyama Y, Kametaka S. Role of the BDNF-TrkB pathway in KCC2 regulation and rehabilitation following neuronal injury: A mini review. Neurochemistry international , 128巻 (頁:32-38) , 2019年 *corresponding author
6.関連特許(Patent)
なし