利用報告書
課題番号 :S-19-NU-0036
利用形態 :技術代行
利用課題名(日本語) :自然由来炭素化合物の異なる作製方法による構造の評価
Program Title (English) :Structural evaluation of natural carbon compounds by different preparation methods
利用者名(日本語) :古田愛音1)
Username (English) :A. Furuta1)
所属名(日本語) :1) 中京大学大学院工学研究科
Affiliation (English) :1) Chukyo University
1.概要(Summary )
竹や籾殻を用いて作製された自然由来炭素化合物はセシウムやストロンチウムを吸着することが分かっている.吸着要因は様々だが,主にセシウムは酸性官能基による化学吸着,ストロンチウムは細孔による物理吸着が挙げられる.そこで今回は作製方法の異なる試料を用いて,FT-IRによる酸性官能基の定性,XRFによる元素分析を行った.
籾殻は高温で短時間炭素化したものを使用した.アルカリ処理を行うことで酸性官能基が増加することが報告されている.そこで,竹は低温で1時間炭素化したものを,水酸化ナトリウム(強処理)または炭酸水素ナトリウム(弱処理)でアルカリ処理を行ったものを使用した.
2.実験(Experimental)
フーリエ変換型赤外分光装置(FT-IR-680 Plus,JASCO社製,以下FT-IR)を用いてKBr法より測定した.また,蛍光X線分析装置(EDXL300,Rigaku社製,X-ray Fluorescence,以下XRF)にて試料を測定しピーク値を算出した.基準試料には粉末酸化チタンを用いた.
3.結果と考察(Results and Discussion)
Fig. 1に各試料のFT-IR結果を示す.高温で炭素化した籾殻炭は酸性官能基由来と思われるピークはほとんど見られなかった.竹炭は1700cm-1付近にカルボキシル基由来と思われるC=Oピークが,3300cm-1付近にO-H伸縮運動と思われるピークが見られた.
Table 1にXRF結果から求めた籾殻炭の主な元素の含有量を示す.籾殻炭は主に二酸化ケイ素を含んでいる事が分かった.
Fig. 1. 各試料のFT-IR結果.
Table 1. XRF結果から求めた籾殻炭の主な元素の含有量.
4.その他・特記事項(Others)
FT-IR,XRF測定は,名古屋大学 分子・物質合成プラットフォームの方々に相談および実施して頂いた.
5.論文・学会発表(Publication/Presentation)
(1) A. Furuta, R, Sawada, D. Watanabe and T. Nonami , 第29回 日本MRS年次大会, 令和元年11月28日
6.関連特許(Patent)
なし.