利用報告書

薬用成分を塗布した生体組織(動物皮膚)中の薬物濃度分布の測定 
宅見信哉, 長瀬賢史,倉光祥平(小林製薬株式会社)

課題番号 :S-20-OS-0004
利用形態 :機器利用
利用課題名(日本語) :薬用成分を塗布した生体組織(動物皮膚)中の薬物濃度分布の測定 
Program Title (English) :Evaluation of drug distribution in biological tissues of animal skin by drug application
利用者名(日本語) :宅見信哉, 長瀬賢史,倉光祥平
Username (English) : S. Takumi, S. Nagase, S Kuramitsu
所属名(日本語) :小林製薬株式会社
Affiliation (English) : KOBAYASHI Pharmaceutical Co.,Ltd.

1.概要(Summary )
薬物の生体組織への分布は、薬物配合製剤の作用性能を発揮する点で重要である。我々は皮膚外用剤を動物皮膚へ塗布した際の薬物の分布をラマンイメージングにより評価する方法について検討してきた。今回、大阪大学ナノテクノロジープラットフォームの装置(レーザーラマン顕微鏡)を利用して、皮膚へ影響を薬剤分布に与える時間の影響について測定を行った。

2.実験(Experimental)
【利用した主な装置】
S19 レーザーラマン顕微鏡

【実験方法】
上記装置を用いて、薬剤を混合したクリーム剤を塗布した生体組織切片中から薬剤の分布を評価した。

3.結果と考察(Results and Discussion)
クリームを塗布した皮膚組織、薬剤を混合したクリームを塗布した皮膚組織において切片を作製し、レーザーラマン顕微鏡にて評価を行った。ラマンスペクトルを解析し、皮膚組織には存在しない、薬剤由来のスペクトルを確認した後に、その波長のイメージングを行った。その結果、ラマンイメージングにより、皮膚切片の深さ方向における薬剤分布を可視化し、時間経過による分布の差異を確認することができた。(Fig.1)
今後、さらなる検討、解析を進める予定である。

 (a) (b) (c)   (d)

Fig.1 皮膚組織のラマン顕微鏡画像
(a)クリーム塗布切片
(b)薬剤配合クリーム30分後切片
(c)薬剤配合クリーム60分後切片
(d)薬剤配合クリーム120分後切片

4.その他・特記事項(Others)
装置使用方法に関してご説明アドバイスいただいた大阪大学分子・物質合成プラットフォームの支援員の皆様に感謝申し上げます。

5.論文・学会発表(Publication/Presentation)
(1) S.Takumi, 日本薬剤学会第35回年会, 令和2年5月(誌上開催).
6.関連特許(Patent)
なし

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