利用報告書
課題番号 :S-16-JI-0056(S-15-JI-0019)
利用形態 :技術代行
利用課題名(日本語) :質量分析による食品成分の解析
Program Title (English) :Food analysis by mass spectrometry
利用者名(日本語) :平 修
Username (English) :S. Taira
所属名(日本語) :1) 福井県立大学・生物資源学部
Affiliation (English) :1) Fukui Prefectural University, Department of Bioscience
1.概要(Summary )
食品には複数の成分が混在しており、分離精製して検出することが一般的である。しかし煩雑な前処理の過程での目的物質、目的物資以外の未知物質のロス、食品成分全体を俯瞰的に解析することはできないという課題がある。食品に含まれるアミノ酸は知られているが、様々な構造をしていることから、質量分析で検出するには、イオン化法、測定範囲、測定イオン種(+か-か)を検討しなければならず、煩雑である。
近年、アミノ酸に特異的に反応する誘導体化試薬が開発・使用されている。この誘導体化試薬によりアミノ酸の検出感度が向上し、さらに、イオン種もポジティブイオンに揃えることができるので測定も簡便になる。今回用いる誘導体化試薬は、Py-tagである(図1)。本試薬は、一級アミンかつ炭素鎖が2個以上のアミノ酸のみに反応する性質を持つ。
図1 Py-tagの反応原理
2.実験(Experimental)
アミノ酸(リジンとグリシン)にPy-tag溶液を混合し、4時間55度で反応させた。
得られた、Py-tag修飾アミノ酸を質量分析装置(MALDI_TOF-MS)により質量を測定した。
3.結果と考察(Results and Discussion)
Py-tag修飾リジンから、m/z 321が検出された。このシグナルを親MSとして、MS/MS解析したところ、A1、A2、y1イオンが検出された。特に、A1イオンは、Py-tag骨格のイオンである。これらの質量より、m/z321が、リジンにPy-tagが修飾されていることを証明できた。(図2)
図2 Py-修飾リジンのMS/MS
検出限界(LOD)は10fmolであった。
ネガティブコントロールであるグリシンは、Py-tagが修飾されず、検出することはできなかった。
これらの結果よりPy-tagがリジン特異的に修飾されていることが分かった。
質量分析により誘導体化アミノ酸の検出に成功した。
4.その他・特記事項(Others)
なし
5.論文・学会発表(Publication/Presentation)
なし
6.関連特許(Patent)
なし







