利用報告書
課題番号 :S-16-KU-0012
利用形態 :共同研究
利用課題名(日本語) :走査型プローブ顕微鏡によるPDMS薄膜の膜厚測定可否判定
Program Title (English) :Measurement of PDMS film thickness by scanning probe microscope
利用者名(日本語) :角田 純一
Username (English) :J.Kakuta
所属名(日本語) :旭硝子株式会社
Affiliation (English) :Asahi glass, Co., Ltd.
1.概要(Summary )
PDMS(polydimethylsiloxane)は耐熱性・透明性に優れた工業材料として様々な用途に利用されている。たとえば、粘着剤や、粘着テープ用の剥離紙用離型剤等があげられる。これらの用途では基板へのPDMSの転写が課題となることが多い。
一方PDMSはガラス転移温度が室温より低いため、転写厚みを定量的に測定するのは難しかった。
今回、走査プローブ顕微鏡によりPDMSモデル薄膜の膜厚が測定可能か検証を依頼した。
2.実験(Experimental)
装置:環境制御型多機能走査プローブ顕微鏡
測定モード :DFM
走査範囲:3.5 mm×3.5 mm
走査周波数: 0.5 Hz
カンチレバー:
DF-20 (kc = 13 N•m-1, d = ca. 10 nm)
振幅減衰率:0.096
サンプル:
Siウェハ上に非架橋PDMSをスピン成膜した。
方法:上記サンプル中央部を解剖用メスで削り、走査プローブ顕微鏡で段差測定を実施した。
3.結果と考察(Results and Discussion)
結果:AFMを用いることにより段差を認識し、ナノメートルオーダーの膜厚を示すことができた。
考察:適切に膜を削ることができれば、基板表面との間に形成される段差から膜厚を測定することが可能であることが示された。本手法を糊の転写解析に応用すれば、PDMSベースの粘着剤評価を定量的に実施することが可能となる。
4.その他・特記事項(Others)
なし。
5.論文・学会発表(Publication/Presentation)
なし。
6.関連特許(Patent)
なし。