利用報告書

超低損失ダイヤモンドパワーデバイス創製に向けたプロセス開発(IV)
大曲 新矢
産業技術総合研究所先進パワーエレクトロニクス研究センター

課題番号                            :S-19-OS-0010

利用形態                            :機器利用

利用課題名(日本語)          :超低損失ダイヤモンドパワーデバイス創製に向けたプロセス開発(IV)

Program Title (English)    :Development of device processing of diamond for power device applications (IV)

利用者名(日本語)              :大曲 新矢 

Username (English)         :Shinya Ohmagari 

所属名(日本語)                 :産業技術総合研究所先進パワーエレクトロニクス研究センター

Affiliation (English)          :Advanced Power Electronics Research Center, AIST

 

 

1.概要(Summary )

ダイヤモンドは優れた物性値を複数有することから,様々な分野用途で産業応用が期待される材料である.ダイヤモンド工具分野では【5000億円 (国内:700億円)】の市場が広がっているほか,物質中最高の熱伝導率を有することから,次世代の高性能ヒートシンク材への応用も期待されている.また,キャリア移動度,絶縁破壊電界などに代表される半導体物性値も際立っており,原理的にはSiC,GaNを凌ぐ性能が得られることから,電力・周波数の変換/制御時の損失を限りなく低減した超低損失パワー半導体材料として注目されている.2016年11月より発効した「パリ協定」の試算では,現状のパワー半導体が全て新型に置き換わった場合,国内の消費電力を1割 (原子力発電所の4基分以上に相当) 削減可能とされている.エネルギー有効活用の観点から今後益々技術開発が進んでいく分野であり,パワー半導体全体で3兆円市場 (2020年) に成長すると試算されている.

我々は,ダイヤモンドのパワーデバイス応用を目指し,結晶成長からドーピング,デバイスプロセス開発に取り組んでいる.今回は,大阪大学分子合成PFの支援を受けて,レーザーラマン顕微鏡によるダイヤモンドエピ膜の結晶性を評価した.

 

2.実験(Experimental

【利用した主な装置】

S19 レーザーラマン顕微鏡

 (ナノフォトン RAMAN-touch)

 

【実験方法】

ダイヤモンドエピ膜をマイクロ波プラズマCVD法で製膜し,ラマンマッピング法で結晶性 (歪み分布) を評価した.分析条件は以下のとおりである.

波長 (出力):532nm(100mW)、785 nm (100mW)

スポット照射

回折格子:1200 gr/mm

空間分解能:X;500 nm、Y;350 nm、Z;1000 nm

 

3.結果と考察(Results and Discussion

ダイヤモンドモザイク基板の境界部におけるラマンマッピング像を示す.大きな圧縮/引っ張り応力ペアの分布が,モザイク境界に沿って観測された.境界部にデバイスを形成する場合,この歪み分布の低減が必要であることが分かった.

Figure 1. Raman mapping imaging of diamond mosaic wafers near coalescence boundary. Raman shift (left) and FWHM mapping (right) are shown.

 

4.その他・特記事項(Others

なし

 

5.論文・学会発表(Publication/Presentation

(1) S. Ohmagari et al., Appl. Phys. Lett. 114, 082104 (2019). Editor’s pick

(2) S. Ohmagari et al., Phys. Status Solidi A 1900498 (2019). FEATURE ARTICLE

 

6.関連特許(Patent

なし

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