利用報告書

超硬刀具の刃先鋭利化ツール開発
澤田 秀司1)
1) シー・ケィ・ケー株式会社

課題番号                :S-NI-20-0004

利用形態                :技術代行

利用課題名(日本語)    :超硬刀具の刃先鋭利化ツール開発

Program Title (English) :Development of tools for sharpening the cutting edge of cemented carbide

利用者名(日本語)      :澤田 秀司1)

Username (English)     :Hideji Sawada1)

所属名(日本語)        :1) シー・ケィ・ケー株式会社

Affiliation (English)  :1) C.K.K.CO.,LTD.

 

 

  • 概要(Summary )

名古屋工業大学江龍研究室で開発された固定砥粒型CMP法を用いて、特に超硬材料を用いた刃物の、刃先の鋭利化に取り組んだ。単結晶シリコンカーバイド加工用にチューニングされていたCMP砥石を発展させ、超硬刃具に対して製品化レベルの加工を実現できる砥石の寿命化と刃先の超鋭利化を実現する砥石の改良を試みた。半導体用においては許容された「ふちだれ」現象は、金属の精密加工用刃具においては許容範囲を超えてしまう問題が発生していたが、本年度は異なる超硬素材に対してチューニングを行った結果、商品開発レベルにまでその砥石の精緻化が実現できた。既に昨年度内にタングステンカーバイド粒子を結晶方位に依存せずに平坦化させる技術開発に到達していたが、本年度は後述するように10cmの幅において、刃こぼれなく均一に鋭利化刃先を実現するに至った。来年度も同様に本プラットフォームの活用を希望する。

 

2.実験(Experimental)
・MAT社製エアスピンドル40cm研磨定盤一式

・曲面形成治具一式

1:形状形成された刃具を、形成治具に固定する

2:名古屋工業大学江龍研究室にて開発したCMP研磨砥石により刃先をCMP加工する。

 

3.結果と考察(Results and Discussion)

本年度の成果が顕著に分かる成果を示す。商品への適合を目指しているため1)砥石の長寿命化、2)加工の高速化、3)得られる刃先丸みはR 1μm以下である。加工時間は短ければ短いほど良いが、砥石の回転速度を上げていくと機械精度の関係で刃こぼれが生じる現象が見られたため、化学反応性を高め、低速回転においても鋭利な刃先が得られる砥石開発に時間を割いた。砥石の作製条件を調整した結果、下記写真に見られる刃先を数分以内に実現出来た。この成果を得て、次年度は商品化のための砥石形状の作り込みに入っていく。

CMP研磨加工前の超硬刃具刃先

CMP研磨加工後の超硬刃具刃先
4.その他・特記事項(Others)

なし。

5.学会発表(Publication/Presentation)

(1)青木 渉 Grinding Technology Japan 2020, 平成2021年3月2日、幕張メッセ, 日本工業出版
6.関連特許(Patent) なし

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