利用報告書
課題番号 :S-15-OS-0042
利用形態 :機器利用
利用課題名(日本語) :酸化亜鉛ナノワイヤを用いた熱電材料開発
Program Title (English) :Development of ZnO Nanowire for Thermoelectric Material
利用者名(日本語) :渡辺健太郎, 石部貴史, 黒川翼
Username (English) :K. Watanabe, T. Ishibe, T. Kurokawa
所属名(日本語) :大阪大学, 基礎工学研究科, システム創成専攻
Affiliation (English) :Dep. Systems Innovation, Grad. School Engineering Science, Osaka University
1.概要(Summary)
酸化亜鉛(ZnO)は、高いゼーベック係数(S)・電気伝導率(σ)を示すため、熱電材料として期待されている。しかし、強い共有結合性による、高い熱伝導率(κ)が課題である。近年、エピタキシャルナノ構造の導入により、高いS, σを維持しつつ、κを低減できることが報告されている。我々は、ZnOを1次元ナノワイヤ形状にすることでκを低減することを考えた。そこでPLDによるZnO膜を形成し、トップダウン方式でナノワイヤを形成することを目指した。今年度は、ナノテクノロジープラットフォーム所有のPLDを用い、高配向ZnO膜の形成技術を検討した。
2.実験(Experimental)
【利用した主な装置】
人工超格子薄膜形成システム(PLD)
【実験方法】
背圧: 1×10-6 PaのPLDチャンバーに、Si(111)基板を導入した。基板温度: 室温、酸素分圧: 1 Paにて、ArFレーザー(193 nm)を用い、ZnO膜を形成した。PLDターゲットはZnO微粒子(99.999%)の焼結体を自作した。
3.結果と考察(Results and Discussion)
高熱電性能を実現するためには、高い移動度が求められ、一般的に結晶性が高いほど、移動度は向上する。今回、基板温度をパラメーターとして、高結晶性ZnO膜を作製する条件を調べた。基板温度: 室温で作製したZnO膜のAFM像をFig.1(a)に示す。粒径20~30 nmの粒子状の膜が形成され、RMSは1.4 nmであった。また、結晶性をXRDで確認したところ、ZnOのピークは確認できなかった。そこで、大気圧下、基板温度: 800ºCにて、アニール処理を施し、結晶性向上を狙った。アニール後のAFM像をFig. 1(b)に示す。粒径50~100 nmの角張った粒子状膜が形成された。RMSは3.3 nmであり、アニール前よりも荒い膜になったことが分かる。また、XRDで結晶性を確認すると、ZnO(0002)のピークが確認され、C軸高配向膜が形成され、結晶性の向上に成功した(Fig. 1(c))。今後、雰囲気・温度のアニール条件を検討した後、移動度の評価を行う予定である。
Fig. 1 AFM images of as-grown (a) and annealed ZnO films (b), respectively. (c) XRD patterns of annealed ZnO films.
4.その他・特記事項(Others)
「基盤研究B (252860260)」
研究代表者:中村 芳明
5.論文・学会発表(Publication/Presentation)
なし
6.関連特許(Patent)
なし







