利用報告書
課題番号 :S-16-KU-0007
利用形態 :機器利用
利用課題名(日本語) :金属ナノ粒子の表面修飾とバイオ機能化
Program Title (English) :Surface Modification and Bio-functionalization of Metal Nanoparticles
利用者名(日本語) :新留 康郎
Username (English) :Yasuro Niidome
所属名(日本語) :鹿児島大学
Affiliation (English) :Kagoshima University
1.概要(Summary )
金ナノロッドは金イオンの脱離効率が高く、金イオンを検出するプローブとして利用可能である。これまでの研究で、肝臓や腫瘍組織の切片に分布する金ナノロッドをイメージング質量分析で明らかにすることができた。本研究では、ナノ粒子の形状やサイズによってイオン化効率がどのように変化するかを検討した。イオン化効率に優れたサイズ・形状の金ナノ粒子を検索し、生体分子検出に適したマスプローブの実現をめざす。
2.実験(Experimental)
ニワトリの肝臓組織切片に金ナノロッドと球状金ナノ粒子(直径15–72 nm)の溶液をキャストし、通常のMALDI-MS装置(Autoflex, Bruker)によって脱離する金イオンを検出した。金ナノ粒子溶液はレーザーの波長である355nm で一定(0.043)になるように調製した。イメージング質量分析によってナノ粒子をキャストした部位から得られる金イオン(Au+)強度を比較した。
3.結果と考察(Results and Discussion)
球状粒子の体積とイオン検出強度の相関をFig. 1に示す。体積が大きいと強いシグナルが得られるが、直径72 nmの粒子のイオン化強度は小さくなることが分かった。イオン化に適した粒子サイズがあることが分かった。金ナノロッドは同サイズの球状粒子よりも明らかにシグナル強度が高い。金ナノロッドは金イオンの脱離効率が高く、優れたマスプローブとして機能することが明らかになった。
Fig. 1 金イオンのイメージング質量分析 m/z = 197 (Au+)
4.その他・特記事項(Others)
なし。
5.論文・学会発表(Publication/Presentation)
1. D. Muko, Y. Inoue, A. Nishitani, Y. Niidome, Anal. Methods, 2017, 9, 1177-1184.
2. T. Kitamura, Y. Niidome, Bull. Chem. Soc. Jpn., 2017, 60, 161-168.
3. A. Kiya, Y. Tsuru, Y. Niidome, Chem. Lett., 2016, 45, 1376-1378.
6.関連特許(Patent)
水生生物用標識剤及び水生生物水生生物の標識方法
発明者:新留康郎、出願番号:特願2016-235699、出願人:国立大学法人鹿児島大学、出願日:2016年12月5日







