利用報告書

銅金属配位に由来するペプチド構造変化の電子スピン測定による評価
織田昌幸1), 川崎茉希1), 田中雅浩1), 加藤立久2)(1) 京都府大大学院生命環境科学科, 2) 京大福井センター)

課題番号 :S-20-MS-1054
利用形態 :施設利用
利用課題名(日本語) :銅金属配位に由来するペプチド構造変化の電子スピン測定による評価
Program Title (English) :ESR measurement of Cu coordinate peptide
利用者名(日本語) :織田昌幸1), 川崎茉希1), 田中雅浩1), 加藤立久2)
Username (English) :M. Oda1), M. Kawasaki1), M. Tanaka1), T. Kato2)
所属名(日本語) :1) 京都府大大学院生命環境科学科, 2) 京大福井センター
Affiliation (English) :1) Kyoto Prefecture Univ., 2) FIFC, Kyoto Univ.

1.概要(Summary )
水溶液中でタンパク質は,疎水性相互作用を駆動力に非極性側鎖が内側に埋め込まれることで天然構造へとフォールドする.一般に疎水性コアを形成する残基は保存され,タンパク質の構造形成のみならず,その機能発現にも重要な役割を果たすと考えられている.先行研究により作成されたZn2+イオン添加によりランダム構造からヘリックスバンドル構造に変化する変異体HAを用いて,金属イオン配位の変化と構造変化の相関を得ている.そこで本研究では,錯体構造でESR信号が変化する銅イオンを用いて,先行研究結果の検証を目的とする.
2.実験(Experimental)
液体He温度のCW ESRスペクトルをOxford 900 クライオスタットとBruker E500分光器との組み合わせで測定した.
3.結果と考察(Results and Discussion)
Hisタグ付加ペプチドHA,HI,HL,HVへのCuイオン添加溶液の極低温5KにおけるESRスペクトルを示す.

それぞれに加えたCuイオン濃度の異なる溶液を,一晩室温にて静置してアニーリングする前と後のスペクトル変化を示している.それぞれの溶液の ESRスペクトルのg値と銅核スピンの超微細構造の異方性が変化しており,平面四配位構造からの崩れが予測された.

4.その他・特記事項(Others)
なし
5.論文・学会発表(Publication/Presentation)
なし
6.関連特許(Patent)
なし

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