利用報告書
課題番号 :S-20-NI-0025
利用形態 :技術代行
利用課題名(日本語) :防汚性能評価のための標準試験片作成
Program Title (English) :Polishing metallic pieces for evaluating anti-biofilm activity
利用者名(日本語) :中 美紗登
Username (English) :Misato Naka
所属名(日本語) :株式会社LIXIL
Affiliation (English) :LIXIL Corporation
1.概要(Summary )
住宅設備機器を扱う弊社では、防汚材料の評価方法を検討している。その中で、抗バイオフィルム(微生物汚れ)性の評価手法のISO化が企画されており、様々な材料に展開出来るように標準試験片の規格導入を検討している。標準試験片で使用する基材の種類や表面粗さによるバイオフィルム形成への影響を明らかにするため、まずは金属を主とする標準試験片候補材料において、ナノレベルの表面粗さ調整方法の確立に取り組んだ。
2.実験(Experimental)
超精密電子材料基板平坦化装置を用いて、複数枚同時研磨・CMP加工を実施した。2.0*30*30mm角のSUS304、純Ti製試験片をエレクトロンワックス(フルウチ化学株式会社製ワックスH)にて研磨台に活着させ、表1に示す条件で加工を行った。
表1.加工条件
定盤径(cm) | 40 |
定盤回転率(rpm) | 45 |
加工重量(kg/cm²) | 0.2 |
加工前後の試験片は、ナノ3D光干渉計測システム(白色干渉顕微鏡)( VS1800,日立ハイテク)を用いて表面形状および表面粗さ(面粗さ,算術平均高さSa)を測定した。
3.結果と考察(Results and Discussion)
白色干渉顕微鏡による測定データを表2に示す。SUS304は鱗状の凹凸、純Tiは試験片加工時に出来たと考えられる歪を含めた凹凸をほとんど取り除くことができ、両者共にナノレベルの平滑面に加工することが出来た。
表2.表面データ
4.その他・特記事項(Others)
本研究は、文部科学省委託事業ナノテクノロジープラットフォーム課題として名古屋工業大学の支援を受けて実施されました。名古屋工業大学の江龍修先生には深く感謝いたします。
5.論文・学会発表(Publication/Presentation)
なし
6.関連特許(Patent)
なし