課題番号（Application Number）：S-15-NR-0023
利用形態（Type of Service）：技術代行
利用課題名（日本語） ：難水溶性薬物ナノ粒子の分散安定性に及ぼすポリマーの影響
Program Title (English) ：Effect of Polymer on the dispersion stability of nanoparticles of poorly water soluble drug
利用者名（日本語） ：弓樹佳曜
Username (English) ：　K. Yuminoki
所属名（日本語） ：摂南大学 薬学部
Affiliation (English) ：Faculty of Pharmaceutical Sciences, Setsunan University

１．概要（Summary ）
　分散安定剤として使用するポリマーの種類により、難水溶性薬物ナノ粒子の分散安定性は大きく異なる。そこで、分散安定性の差異を評価するため、薬物とポリマー間の分子間相互作用の解析を行った。

２．実験（Experimental）
各種ポリマーを用い、難水溶性薬物であるGriseofulvin　(GF) ナノ粒子懸濁液を調製し、その懸濁液を顕微レーザーラマン分光光度計にて評価した。また、得られたナノ粒子懸濁液を凍結乾燥し、粉末化を行い、その粉末を固体NMRで評価した。

３．結果と考察（Results and Discussion）
各種ポリマーを用いGFナノ粒子懸濁液を調製したところ、ポリマー使用するポリマーの種類により、GFナノ粒子の分散安定性は大きく異なった。分散安定性の異なるGFナノ粒子懸濁液を顕微レーザーラマン分光光度計で評価したところ、そのスペクトルに顕著な変化は認められなかった。また、GFナノ粒子懸濁液を凍結乾燥し、得られた粉末を固体NMRで測定したところ、顕著なケミカルシフトは認められなかった。
　以上の結果より、GFナノ粒子の分散安定性の差異は薬物とポリマー間の分子間相互作用に基づくものではなく、他の要因が考えられる。

４．その他・特記事項（Others）
謝辞：サンプル測定を担当頂いた奈良先端科学技術大学院大学 岡島康雄様、淺野間文夫様に感謝申し上げます。

５．論文・学会発表（Publication/Presentation）
なし

６．関連特許（Patent）
なし