利用報告書
課題番号 :S-16-SH-0005
利用形態 :共同研究型支援
利用課題名(日本語) :電子部品用機能性薄膜の開発
Program Title (English) :
利用者名(日本語) :田中清志、堀内功
Username (English) :
所属名(日本語) :KOA株式会社 要素技術開発グループ
Affiliation (English) :
1.概要(Summary )
抵抗薄膜にある特定の遷移金属を微量添加すると、電気的特性が大きく変化する。今回は電気的特性の変化が抵抗薄膜の組織変化に起因しているかを調査するため、遷移金属を微量添加した抵抗薄膜の組織観察を行った。
2.実験(Experimental)
遷移金属の添加量が異なる抵抗膜を熱酸化膜付きSiウェハ上に成膜した。熱処理を施した後、TEMによって膜組織の観察を行った。
3.結果と考察(Results and Discussion)
図1と図2は遷移金属の添加量が異なる抵抗薄膜のTEM像である。EDSの結果からは遷移金属の添加量の違いを判別することができたが、膜組織には大きな変化がないことが分かる。また図3は遷移金属を添加していない抵抗薄膜のTEM像である。図3と比較しても非晶質な組織中に大きさ数nmの結晶子が分散している組織構造に差はなく、遷移金属の添加によって膜組織は大きく変化しないことが分かった。
これらの結果から、抵抗薄膜の遷移金属添加による電気的特性の変化は、膜組織の変化に伴うものではなく、結晶子または非晶質な組織中に遷移金属が取り込まれることにより引き起こされる可能性があることが示唆された。
4.その他・特記事項(Others)
本件実施に当たっては信州大学ナノテクPF事業の橋本佳男教授および森本信吾氏にご協力頂いた。またTEM観察では同大学基盤研究支援センター機器分析支援部門の山上朋彦氏に技術的支援を頂いた。
5.論文・学会発表(Publication/Presentation)
無し
6.関連特許(Patent)
無し







