利用報告書
課題番号 :S-19-NR-0019
利用形態 :技術代行
利用課題名(日本語) :非晶質酸化物半導体ヘテロ接合による高性能・高信頼性薄膜トランジスタの開発
Program Title (English) :High performance and high reliable thin-film transistor with heterojunction
amorphous oxide semiconductor
利用者名(日本語) :是友 大地1), 古田守1)
Username (English) :D. Koretomo1), M. Furuta
所属名(日本語) :1) 高知工科大学大学院工学研究科,
Affiliation (English) :1) Engineering Cource、Kochi University of Technology
1.概要(Summary )
次世代ディスプレイを駆動するために用いる薄膜トランジスタ(TFT: Thin-Film Transistor)の更なる高移動度化に向け非晶質酸化物半導体をチャネル材料に用いた研究が活発に行われている。InGaZnO(標準組成比In:Ga:Zn:O=1:1:1:4)は10cm2V-1s-1程度の移動度を示し、TFTの長期安定性にも優れ、移動度と信頼性のバランスの取れた材料である。一方、さらに高い移動度を目指しIn組成比を高めたIn-rich IGZO(HI-IGZO)が検討されている。我々はゲート絶縁膜(SiO2)上に標準組成IGZO膜、次いでHI-IGZO膜を連続成膜したヘテロ接合構造により、移動度と信頼性を両立することに成功した。しかしながら、非晶質材料同士における界面状態は明確にされていなかった。そこで、非晶質IGZO同士のヘテロ接合界面状態を明らかにするために、奈良先端大ナノテクノロジープラットフォーム拠点の設備を利用し、ヘテロ接合界面における組成状態の変化を解析した。
2.実験(Experimental)
【利用した装置】
二次イオン質量分析(SIMS)
【実験方法】
マグネトロンスパッタ装置により低抵抗Si基板上に室温にて標準組成IGZOおよびHI-IGZOを連続成膜した。その後、大気雰囲気下350℃一時間の熱処理を施し、SIMS測定を実施した。
3.結果と考察(Results and Discussion)
Figure1にヘテロ接合薄膜内のInカウント数の深さ方向依存性を示す。標準組成膜内では、試料表面でInカウント数が低い傾向を示したが、バルク内ではおおよそ3×105 /secの値が得られた。一方、HI-IGZOでは、In組成が高いことに起因しておおよそ4.5×105 /secの値を示し、IGZO-111と比較して高い値が得られた。また、このIGZO組成の違いに起因するInカウント数の変化はヘテロ接合界面における5~6 nmの間で生じていることが確認された。結果、組成の異なる2種類の非晶質IGZOを用いたヘテロ接合にて比較的急峻な界面が形成されていることを確かめた。
Figure.1 Depth dependence of In count number in heterojunction thin film.
4.その他・特記事項(Others)
本研究は奈良先端科学技術大学院大学ナノテクプラットフォームにより支援を受けた。NAIST技術職員の岡島康雄様に感謝致します。
5.論文・学会発表(Publication/Presentation)
佐々木大地, “非晶質In–Ga–Zn–Oxヘテロ接合
チャネル薄膜トランジスタのキャリア輸送特性および信頼性”,高知工科大学博士論文(2020)
6.関連特許(Patent)
該当なし







