利用報告書

高分子プロトン伝導膜の構造解析
長尾祐樹
北陸先端科学技術大学院大学

課題番号                :S-19-NU-0048

利用形態                :共同研究

利用課題名(日本語)    :高分子プロトン伝導膜の構造解析

Program Title (English) :Structural analysis of polymer proton conductive films

利用者名(日本語)      :長尾祐樹

Username (English)     :Y. Nagao

所属名(日本語)        :北陸先端科学技術大学院大学

Affiliation (English)  :Japan Advanced Institute of Thechnology

 

 

1.概要(Summary )

当研究室で開発したアルキルスルホン化ポリイミド(ASPI)は、基板に対して平行なリオトロピックラメラ構造を示し、高湿度下にてラメラ面間隔を増大させながら面内方向にNafion®匹敵する高いプロトン伝導性を示す*。本支援課題では、新規に設計したASPI(Figure 1)について薄膜の加湿下の液晶構造を湿度制御下斜入射小角X線散乱(GI-SAXS)測定を行った。

Figure 1.Chemical structure of ASPI used in this study.

 

2.実験(Experimental)

ASPIをテトラヒドロフラン(THF)/水(1/1 vol)混合溶媒を用いて、膜厚約500 nmのスピンコート膜を作製した。光学アタッチメント・カスタマイズXRD装置において、高輝度X線源(Rigaku FR-E)と二次元イメージングプレート検出器(Rigaku R-AXIS IV)を用い、室温下湿度制御GI-SAXS測定を行った。

 

3.結果と考察(Results and Discussion)

Figure 2に相対湿度(RH) 5% (a)および95% (b)のGI-SAXS二次元像を示す。基板面に対し面外(OP)方向にASPIのラメラ構造に由来する散乱が観測され、RHの増加と共に散乱位置が低角にシフトし、強度が増加した。この構造変化はRHの上昇により薄膜が含水することでリオトロピックラメラ構造が形成され、さらにRHの上昇とともにラメラの層間が広がったことを示す。よって、本研究で合成した新規ASPI薄膜もリオトロピック液晶性によるラメラ構造を形成し、構造周期性および規則性も向上することがわかった。

Figure 2. 2D GI-SAXS images for an ASPI film at RH = 5% (a) and 95% (b).

 

4.その他・特記事項(Others)

なし

 

5.論文・学会発表(Publication/Presentation)

(1) Y. Nagao, K. Ohno, S. Tsuyuki, K. Suetsugu, M. Hara, S. Nagano, Mol. Cryst. Liq. Cryst., 686, 84-91(2019).

(2)姚禹澤,渡邉隼人, 原光生, 永野修作, 長尾祐樹, 2019年日本液晶学会討論会.

 

6.関連特許(Patent)

なし

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