利用報告書

高感度ナノウイルスセンサの開発
田中 裕行, 小本 祐貴
大阪大学産業科学研究所

課題番号                            :S-19-OS-0027

利用形態                            :機器利用

利用課題名(日本語)          :高感度ナノウイルスセンサの開発

Program Title(English)    :Development of highly sensitive nanovirus sensor

利用者名(日本語)              :田中 裕行, 小本 祐貴

Username(English)          :H. Tanaka, Y. Komoto

所属名(日本語)                 :大阪大学産業科学研究所

Affiliation(English)           :The Institute of Scinetific and Industrial Research, Oska Univ.

 

 

1.概要Summary

コルターカウンタは、シンプルな電流計測によって様々な微粒子を単一粒子レベルで検出することができる優れたセンサである。今回は、高精度な1粒子表面電荷測定に資するコルターカウンタ原理を実証するべく、マイクロ流路を直列に並べた新規微細構造をシリコンウエハ上に作製する加工プロセスの検討を行った。

 

2.実験(Experimental

【利用した主な装置】

S09 ICP-RFスパッタ装置

S10 RFマグネトロンスパッタ装置

S13 反応性イオンエッチング装置

 

【実験方法】

3μmの厚さの熱酸化膜で表面が覆われた0.5mm厚のシリコンウエハを基板に用いた。まず、当該ウエハを30mm角の大きさにカットした。このシリコン小片の表面に、マスクアライナー装置を用いたフォトリソグラフィー法によってマイクロ電極パターンを描画した。そして現像後、RFマグネトロンスパッタ装置を用いてTi/Au層を蒸着し、基板をジメチルホルムアミドに浸漬させ、超音波洗浄によってリフトオフした。得られた電極の一部を外部マーカにし、以下の工程でマイクロ流路を作製した。まず、基板表面全体にRFマグネトロンスパッタ装置を用いて厚さ150nmのクロム層を蒸着させた。そして、電子線描画装置を用いてCr表面の400μ四方の領域に微小流路パターンを描画した。現像後、クロムエッチング溶液に基板を浸漬させ、部分的にCrを除去した。残ったCr層をマスクとして用い。反応性イオンエッチング装置を用いて、SiO2層を1.5μmの深さだけ掘削した。最後に、基板をCrエッチング溶液に浸漬させ、Crを完全に除去した。

 

3.結果と考察(Results and Discussion

作製したマイクロ流路の走査電子顕微鏡像をFig.1に示す。基板の上側に、ポリジメチルシロキサンで作られたブロックを接着させ、流路全体を封止した。そして、上下に延びた微小流路を介して、中央の1マイクロメートルサイズの流路部分に電解質液を流しいれた。そのうえで、2つの銀/塩化銀電極を用いてDC電圧を印可し、その結果流路内に生じるイオン流を、電極反応を介して測定した。すると、電解質液中にマイクロ流路より小さい微粒子が含まれている場合には、当該粒子が1個流路を通過する毎に、パルス状の電流変化が現れた。また、そのパルス信号波形には特徴的な起伏があり、その数は縦に並べられた流路の個数と一致した。現在、本イオン電流信号から1粒子表面電荷を導出する解析手法の研究に取り組んでいる。

 

 

 

 

 

 

 

 

Fig. 1 Scanning electron microscopy image of serial microchannels formed on a Si wafer.

4.その他・特記事項(Others

なし

5.論文・学会発表(Publication/Presentation

なし

6.関連特許(Patent

なし

 

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