利用報告書
課題番号 :S-20-KU-0018
利用形態 :共同研究
利用課題名(日本語) :高純度半導体性単層カーボンナノチューブによる室温動作熱型検出の実現
Program Title (English) :Development of uncooled bolometer using highly pure semiconducting single-walled carbon nanotube
利用者名(日本語) :Andrews John
Username (English) :Andrews John
所属名(日本語) : Royal Melbourne Institute of Technology
Affiliation (English) : Royal Melbourne Institute of Technology
1.概要(Summary )
本研究では、JSPS二国間交流事業の支援を受け、可逆作動型燃料電池-水電解セルと水素吸蔵材料を組み合わせた新規電気化学エネルギー貯蔵デバイスの開発に取り組んでいる。オーストラリア RMIT 大学が有する「プロトン・フロー電池」のコンセプトを基礎として、九州大学 が有する「新規電気化学セル」、「水素吸蔵材料」、「高耐久性、非貴金属系電極」を適用することにより、性能と信頼性の高い電力貯蔵デバイスの創製を目指す。RMIT 大学がアイデアとノウハウを有するプロトン・フロー電池は、蓄エネルギーの仕組みに 水電解-燃料電池を用いながら、水素貯蔵材料を電極として用いることによりエネルギー密度が高い。残るエネルギー損失や耐久性の課題に対して、ナノテクノロジープラットフォームの合成支援を受けてイリジウム担持カーボンナノチューブ(MWNT/PBI/Ir)の検討を行う。
2.実験(Experimental)
MWNT (15 mg) とPBI (5 mg) をジメチルアセトアミド (DMAc) 溶液に1時間超音波処理後、濾過洗浄し、乾燥後黒色の固体 (MWNT/PBI) を得た。このうち10mgを60%エチレングリコール (EG) 水溶液中でIrCl3 xH2O (3.9 mg) と140 ˚Cで6時間反応させることにより黒色の固体 (MWNT/PBI/Ir) を得た(収量10.4g)。別途合成したMWNT/PBI/Ptと混合し、ナフィオン膜にスプレー塗布することでMEAを作成した。
3.結果と考察(Results and Discussion)
図1作成したMEAをプロトンバッテリーに用いた際の低電位(1.9V)における電流変化をプロットした。
図1.The paste electrode was loaded into the proton battery. A galvanostatic charge was performed at a potential of 1.9 V for 1 hour and the current was plotted against time to determine the performance of the novel MEA.
参照とした従来のMEAと比較し、高い電流が得られることが明らかとなった。現在論文執筆中であり、さらに本成果を基盤とした新たな大型予算申請(Australia Research Council (ARC))をRMIT側で進めている。
4.その他・特記事項(Others)
MWNT/PBIの合成は九州大学ナノテクプラットフォームの荒谷弘幸氏に実施頂いた。ここに謝意を示す。
5.論文・学会発表(Publication/Presentation)
なし
6.関連特許(Patent)
なし