利用報告書
課題番号 :S-16-SH-0017
利用形態 :共同研究型支援
利用課題名(日本語) :高耐久性 狭ピッチコンタクトプローブ開発
Program Title (English) :
利用者名(日本語) :中田 貴文
Username (English) :Takafumi Nakata
所属名(日本語) :シチズンファインデバイス株式会社
Affiliation (English) :CITIZEN FINEDEVICE Co., Ltd.
1.概要(Summary )
・Au鍍金硬度と摺動耐久性の関係について、ナノインデンテーション法による鍍金薄膜硬度測定を実施し、コンタクトプローブ摺動耐久性悪化の要因が、スプリングのAu鍍金ロット硬度の違いによるものか解析する。
2.実験(Experimental)
・場 所 信州大学カーボン科学研究所
・装置名 TI950 Tribo Indenter(HYSITRON社製)
・試験力 500μN、保持時間12sec
・圧子 バーコビッチ型ダイヤモンド圧子
(先端面角度:142.3度、先端半径:100nm以下)
・測定ポイント数 10ポイント
・評価対象プローブ 6検体(スプリング鍍金ロットの異なるもの)
3.結果と考察(Results and Discussion)
●結果
・スプリングの Au 鍍金ロット違いによる硬度差はないという結論が妥当と考える。
・硬度測定に対し、膜厚と押込み深さの関係は、10倍程度が必要であり、1μm程度の薄膜に対しては、0.1μm=100nm以下の押込み深さにしなければならない。
今回、300nm程度のものがあること、及びスプリング製造工程の段階にて膜厚が薄くなっている可能性があり、それらが測定を不確かなものにしていることには注意したい。また、微小押込み量でもあるため、硬度測定の値が表面粗さ及び表面の平坦度、さらには試料の固定方法によって影響を受けやすいことも合わせて注意が必要である。
・今回の結果より、Au鍍金ロットの違いによる硬度差はないものと判断し、摺動耐久性悪化への影響は薄いことが確認された。よって、スプリングAu鍍金硬度の解析については終了し、別な観点から摺動耐久性悪化の改善に向けた研究が必要であると考える。
4.その他・特記事項(Others)
本研究を実施するにあたり、ご指導頂きました小畑研究員には心より感謝申し上げます。
5.論文・学会発表(Publication/Presentation)
なし
6.関連特許(Patent)
なし