利用報告書

0.5Vより小さいバンドギャップを持つ熱電材料のバンドギャップ評価
小菅 厚子
大阪府立大学 理学系研究科

課題番号 :S-19-MS-1070
利用形態 :機器センター施設利用
利用課題名(日本語) :0.5Vより小さいバンドギャップを持つ熱電材料のバンドギャップ評価
Program Title (English) :Bandgap evaluation of thermoelectric materials
with bandgap smaller than 0.5V
利用者名(日本語) :小菅 厚子
Username (English) :A. Kosuga
所属名(日本語) :大阪府立大学 理学系研究科
Affiliation (English) :Graduate School of Science, Osaka Prefecture Universtiy

1.概要(Summary )
熱電変換材料は熱を電気に直接変換する材料であり、自動車や工業炉で発生した廃熱を利用した省エネルギー用途や、IOT社会のためのセンサー用自立型分散電源用途として近年期待されている材料である。熱電変換材料には、一般的には半導体を用いることが多い。熱電材料の性能は、材料の熱伝導率、電気伝導率、熱起電力(温度差あたりの起電力)により決定されるが、同時にバンドギャップもこれらの因子に影響する重要なパラメータとなる。例えば、熱電変換材料のバンドギャップが小さすぎると、ホールと電子の両極性伝導が起こり、熱起電力が打ち消しあい小さくなる。一方、逆にバンドギャップが大きすぎると、イオン結合性が高くなり、電気伝導率が悪くなると考えられる。また、バンドギャップが大きすぎるか小さすぎるかの判断は、使用温度により変わってくるため、熱電材料が高い特性を示す温度域で、ちょうどよいバンドギャップをもつ材料の開発が必須である。本研究では、材料の組成や作製手法を変化させたときに、材料自体のバンドギャップがどのように変化したかを実験的に評価し、材料の構造や熱電変換特性との相関を調べることで、高性能化の設計指針を構築することを目的とする。
2.実験(Experimental)
本実験で測定予定の赤外領域で透過率が高いKBrやCsIと試料粉末をペレット化し、フーリエ変換赤外分光光度計(Bruker・IFS66v)にて透過スペクトルを測定し、ブランク試料の透過スペクトルから差し引く事で、試料の吸光度を評価し、バンドギャップを算出した。

3.結果と考察(Results and Discussion)

図.測定した5試料についてのE vs(ah)2-plot

上図のように、測定した5試料についての、E vs(ah)2-plotをとり解析したところ、いずれも0.4-0.5eVのバンドギャップを有し、組成の変化に応じてバンドギャップの大きさが変化する事を確認した。また、これらの結果は第一原理計算によるバンドギャップの大きさの変化と定性的に一致した。
4.その他・特記事項(Others)
なし
5.論文・学会発表(Publication/Presentation)
(1) A. Kosuga, MRM2019 Satellite Symposium,令和元年12月9日.
(2) 奥友洋,小菅厚子等,第67回応用物理学会春季が医術講演会,3月12日.
6.関連特許(Patent)
なし

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