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利用形態 ：技術代行
利用課題名（日本語） ：2光子励起による近赤外発光シリコンナノ粒子を用いたIn-vivo細胞イメージング
Program Title (English) ：Two photon infrared fluorescence in-vivo cellular imaging with silicon nanosphere materials
利用者名（日本語） ：Grégory Beaune1), 中村仁1), 白幡直人1)
Username (English) ：G. Beaune1), J. Nakamura1), N. Shirahata1)
所属名（日本語） ：1) 国立研究開発法人　物質・材料研究機構
Affiliation (English) ：1) National Institute for Materials Science

１．概要（Summary ）
結晶シリコンをナノ粒子化することで、高量子収率で近赤外発光する蛍光体が得られる。特徴的な点は、発光と光吸収端のフォトンエネルギー差で表されるストークスシフトが大きいことである。それゆえ二光子励起法を利用すると効率良い発光を導くことができると期待される。本研究では、ブロードな近赤外発光スペクトルを有する水溶性シリコンナノ粒子を湿式調製し、二光子励起法による蛍光イメージング研究に使用することで、バイオマーカーとしての可能性に言及した。

２．実験（Experimental）
ナノバイオ分子合成・超解像解析評価システムを使用して実験を行った。励起光として発振波長が750nmにチューニングされたフェムト秒レーザーを用いた。二光子励起顕微鏡を使用してNIH3T3細胞を蛍光イメージングするために、ダブルシェル構造により水溶性を付与したシリコンナノ粒子をバイオマーカーに使用した。

３．結果と考察（Results and Discussion）
　図1にダブルシェル化により高い水溶性が付与されたシリコンナノ粒子の光吸収および放射スペクトルを示す。特徴のない光吸収スペクトル（黒線）の吸収端で光励起すると、近赤外波長域に強いPLスペクトルを得た（青線）。PL量子収率は30%以上であった。PLEスペクトルを計測すると390nm付近に極大を有した。当該水溶性粒子をバイオマーカーとして、二光子励起顕微鏡でIn-vitro観察を行った。図2に示すように、コントラスト性の高い蛍光イメージングに成功した。この結果に加え、当該ナノ粒子の細胞毒性の各種試験結果から、本研究で合成したナノ粒子は、バイオマーカーとして有用であると結論した。

４．その他・特記事項（Others）
本研究を遂行する上で、馬場嘉信先生、安井隆雄先生、坂口佳充先生に大変お世話になりました。厚く御礼申し上げます。本研究は、WPI-MANA、JSTさきがけ「ナノシステムと機能創発」、科学研究費補助金（課題番号：26390024）等の資金援助を受けて進められました。

図1. 水溶性シリコンナノ粒子の光吸収・放射スペクトル特性

図2. シリコンナノ粒子で蛍光ラベル化されたNIH3T3セル細胞

５．論文・学会発表（Publication/Presentation）
(1) S. Chandra, B. Ghosh, G. Beaune, U. Nagarajan, T. Yasui, J. Nakamura, T. Tsuruoka, Y. Baba, N. Shirahata, F. M. Winnik, “Functional Double-Shelled Silicon Nanocrystals for Two-Photon Fluorescence Cell Imaging: Spectral Evolution and Tuning”, Nanoscale (2016) accepted for publication (DOI: 10.1039/C6NR01437B)

６．関連特許（Patent）
なし