利用報告書

8-oxoGTPを特異的に認識する蛍光性ランタノイド錯体分子の開発
福田 高志 1), 渕 靖史1)
1) 九州大学大学院薬学研究院

課題番号 :S-15-KU-0052
利用形態 :機器利用
利用課題名(日本語) :8-oxoGTPを特異的に認識する蛍光性ランタノイド錯体分子の開発
Program Title (English) :Development of fluorescent lanthanoid complexes for selective recognition of 8-oxoGTP
利用者名(日本語) :福田 高志 1), 渕 靖史1)
Username (English) :T. Fukuda1), Y. Fuchi1)
所属名(日本語) :1) 九州大学大学院薬学研究院
Affiliation (English) :1) Graduate School of Pharmaceutical Sciences, Kyushu University.

1.概要(Summary )
8-oxo-dGTPは細胞内の酸化ストレスマーカーとして機能し得る。本研究ではこの8-oxo-dGTPを特異的に検出することを目的として、蛍光寿命が長い蛍光性ランタノイド錯体分子を開発する。

2.実験(Experimental)
シングルフォトカウンティング蛍光寿命測定装置を用いて、当研究室で合成したランタノイド錯体分子の時間分解蛍光スペクトル及び蛍光寿命を測定した。実際の測定は、サンプルを送付し、九州大学大学院工学研究院 応用化学部門の米村准教授に行って頂いた。
1)サンプル
Dojindo(スペクロゾール)にて希釈して、0.02mMのTF-386のDMSO溶液を作製した。
(2)蛍光スペクトル
確認のため、JASCO FP6500で337nm励起の蛍光スペクトルを測定した。
(3)蛍光寿命測定
N2レーザーによる蛍光寿命を測定した。
TF-386(1) スペクトルの形状(0-20ns)
TF-386(2) 蛍光のdecay profile (range 20 ns)
TF-386(3) 2成分解析 τ1=3.190 ns,τ1=6.267 nsジアザフェノキサジンの蛍光寿命は測定でた。
Range 20nsでは、スペクトルの形状において、Eu錯体由来(添付ファイルの570-630nm)の発光は観測できなかった。また、N2レーザーでのストリークカメラによるオプティカルディレイによるトリガー設定では、寿命の長い測定はできなかった。色々と条件(測定レンジの時間を長く)を変化させて、測定をおこなったが、外部トリガーで安定に発振するレーザーでないと、ストリークカメラでは寿命の長い測定はできなかった。

3.結果と考察(Results and Discussion)
トライアルとして、様々な検討をして頂いたが、目的としていた時間分解蛍光スペクトルを測定することが出来なかった。また蛍光寿命の測定も行ったが、目的としていたランタノイド錯体ではなく、化合物の有機蛍光色素由来のみ測定可能であった。以上の結果より、九州大学ナノテクPF所有の「シングルフォトカウンティング蛍光寿命測定装置」の利用を断念した。

4.その他・特記事項(Others)
なし

5.論文・学会発表(Publication/Presentation)
なし

6.関連特許(Patent)
なし

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