利用報告書

C13同位体2層グラフェンを用いた量子ホール反強磁性状態の研究
田中未羽子
1) 東京大学物理工学専攻博士3年2) 理化学研究所研修生

課題番号 :S-19-NM-0058
利用形態 : 機器利用
利用課題名(日本語) :C13同位体2層グラフェンを用いた量子ホール反強磁性状態の研究
Program Title (English) :research of quantum Hall antiferromagnet in C13 enriched bilayer graphene
利用者名(日本語) :田中未羽子
Username (English) :Miuko Tanaka
所属名(日本語) :1) 東京大学物理工学専攻博士3年2) 理化学研究所研修生
Affiliation (English) :1) University of Tokyo2) RIKEN

1.概要(Summary )
2層グラフェンのゼロランダウ準位では電子間相互作用によって層間反強磁性相や強磁性相、層間分極相などの秩序だった状態が発現すると考えられている。これらの状態の確かな証拠を得て相転移の詳細を調べるにはNMR(核磁気共鳴)測定が有効である。核スピンを持つC13の同位体でできた2層グラフェンをCVD法で作り、ラマンイメージングでAB積層領域を特定しそこに電極を作製して抵抗検出NMR測定を行う。

2.実験(Experimental)
CVD成長した2層グラフェンのAB積層領域を確認するためにラマン顕微鏡を使って1000~3000cm^-1のラマンスペクトルを測定し、2700cm^-1付近のピーク構造の幅でイメージングを行った。

3.結果と考察(Results and Discussion)

C13CVDグラフェンのラマンピークはすべてC12のものより低周波数側にずれており、原子がC12より重くフォノンの振動数が下がっていることがわかる。
図1C13単層、2層グラフェンのラマンスペクトル
灰色字はC12グラフェンのピーク位置(文献値)
従来からG’バンドの形がC12とC13で違うことが知られており、G’バンドをローレンツフィットしその幅でイメージングを行うことで判別することができた。

(図2)
光学顕微鏡写真

(図3)図2と同じフレークをラマン顕微鏡のG’bandの幅でイメージングしたもの。白っぽいところ(G’bandの幅が広い)がAB積層に当たる。

4.その他・特記事項(Others
機器の利用にあたりNIMS服部晋也氏の支援を受けた。
5.論文・学会発表(Publication/Presentation)
なし
6.関連特許(Patent)
なし

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