利用報告書

CDスペクトルのよる機能性ペプチド構造の分析
クナタイ カンジャナ
株式会社デンソー 基礎研究所

課題番号 :S-16-NU-0013
利用形態 :機器利用
利用課題名(日本語) :CDスペクトルのよる機能性ペプチド構造の分析
Program Title (English) :Investigation of secondary structure of peptide using CD spectrometry
利用者名(日本語) :クナタイ カンジャナ
Username (English) :K. Khunathai
所属名(日本語) :株式会社デンソー 基礎研究所
Affiliation (English) :DENSO CORPORATION, Research Laboratories

1.概要(Summary)
本研究では金属イオン結合能を有する機能性ペプチドを開発している。金属イオン結合能検証と共にペプチドの二次安定構造を目指している。今回、ペプチドの結合能を明確にした上で、電子円二色性分光装置を用いて機能性ペプチドのキラリティーの分析を行い、ペプチド構造予測を行った。

2.実験(Experimental)
2.1 測定条件検討
10 mM HEPES緩衝液にて、50 μM及び100 μMペプチドAを調整した。測定装置は日本分光株式会社ECD J-702YSを用いた。測定用のセルの光路は1.0, 0.5, 0.1-cmの測定セルを用いた。測定パラメーターは次の通り。:波長範囲 260-190 nm、データ取組隙間 0.5 nm、走査速度 100 nm/min、レスポンス 2秒、バンド幅 1 nm、積算回数 3回。
2.2 測定実験
条件検討から得た最適条件において、次の実験を行った。
実験A:4種類のペプチドのCDスペクトル測定
実験B:候補ペプチドを用い、pH変化による、CDスペクトル変化の測定
実験C:候補ペプチドへリガンドを添加による、CDスペクトル変化の測定

3.結果と考察(Results and Discussion)
3.1 測定条件検討を行った結果、最適測定条件を決定できた( 50 μMペプチド、0.1-cmセル)。
3.2 開発した4種類のペプチドのCDスペクトル測定を行った結果、ペプチドの二次構造あるいはランダムコイルであるかを予測できました。また、緩衝溶液のpH変化において、候補ペプチドのCDスペクトルが多少変化したことが判った。また、候補ペプチドへターゲットである金属イオンを添加した結果、初期CDスペクトルに対し、スペクトル強度が減少した。今回のCDスペクトル測定実験によって、ペプチドの性能以外の重要な候補ペプチドの性質及び構造の情報の把握ができた。今後、候補ペプチドの性質の詳細を調べる予定。

4.その他・特記事項(Others)
名古屋大学分子・物質合成プラットフォームにご支援・ご協力頂きましたこと、感謝申し上げます。

5.論文・学会発表(Publication/Presentation)
論文投稿予定あり

6.関連特許(Patent)
なし

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