利用報告書

CFRP磁性
山根啓輔1)
1) 有限会社ヒロセ金型

課題番号 :S-16-NI-08
利用形態 :共同研究
利用課題名(日本語) :CFRP磁性
Program Title (English) :Magnetic characteristic of the CFRP
利用者名(日本語) :山根啓輔1)
Username (English) :keisuke Yamane1)
所属名(日本語) :1) 有限会社ヒロセ金型
Affiliation (English) :1) Hirose-Mold, LLC.

1. 概要(Summary )
本共同研究では、熱硬化性CFRP素材に注目し、金型成型によって任意形状を形作ながらら、CFRP素材そのものに磁性材料を添加させることで、強度を保ちながら新たな機能を発現させることに挑戦している。特に複雑形状のモーターコアに対して熱硬化型樹脂の十分な回り込みと、磁性体材料の均一分散に特に注意しながら研究を実施した。昨年度からの継続研究であるが、本年度は均一な分散に関して注力した。

2.実験(Experimental)
・MAT社製エアスピンドル40cm研磨定盤一式

1:磁性体材料混練CFRP素材をCMP加工し、振動試料磁力計にて磁気的測定を実施した。

3.結果と考察(Results and Discussion)
磁性体として純鉄を添加し、熱硬化性CFRP材によりモーターコアをプレス成型した。珪素鋼板によるコアと同様形状で金型を作製しプレス成型した結果を図1に示す。

図1 樹脂成型プレス金型と充填状況
右端がプレス後の充填状況である。極薄くはみ出しが見られるが、容易に削り落とすことが出来、最終形状に成型できる。大略直径4㎝、長さ5cmのバルク状のコア材料に、有効にトルクを発生させるためには、均一に磁性材料が分散している必要がある。図2に添加したテストピースを研磨加工して、磁性材料と繊維の混錬具合を評価した結果を示す。

図2 樹脂混錬手法を改善した結果
図2の左画像は従来手法による繊維と磁性体の混錬状態である。針状に見える炭素繊維と暗部として観測されている磁性体部位とが不均一に存在していることが分かる。一方、本年度に新たに開発した手法によれば均一に分散していることが分かる。体積と質量から算出した密度においては、3.6g/cm3から3.87g/cm3に向上していることが分かり、質量数が大きい磁性材料が高密度に添加出来ていることが分かる。加えて飽和磁化の値も向上しており、磁気的特性も向上した。

4.その他・特記事項(Others)
なし

5.論文・学会発表(Publication/Presentation)
なし

6.関連特許(Patent)
なし

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