利用報告書

光バイオセンサの研究
多田啓二
古野電気株式会社

課題番号 :S-17-OS-0003
利用形態 :機器利用
利用課題名(日本語) :光バイオセンサの研究
Program Title (English) :Development of optical biosensors
利用者名(日本語) :多田啓二
Username (English) :K.Tada
所属名(日本語) :古野電気株式会社
Affiliation (English) :Furuno Electric, Co., Ltd.
キーワード/Keyword    :膜厚測定,バイオ,EB描画,ナノインプリント

1.概要(Summary)
感染症は,特に重篤化の可能性が高い高齢者や乳幼児のために,早期に診断し適切な治療をおこなう必要がある.そこで我々は現在,フォトニクスデバイスを用いた感染症早期診断システムの研究開発をおこなっている.センサデバイスの作製・評価のために,大阪大学ナノテクノロジー設備共用拠点の設備を利用した.

2.実験(Experimental)
【利用した主な装置】
S17 接触式膜厚測定器
【実験方法】
導波路デバイスを作製し,導波路上に固定した抗体と検体中の抗原による抗原抗体反応を,屈折率変化により検出する.

3.結果と考察(Results and Discussion)
作製したデバイスの模式図をFig. 1に示す.Fig. 1中のグレーティングはナノインプリントで形成し,高屈折率層はEB蒸着により成膜した.EB蒸着の条件出し及び,蒸着毎の膜厚の再現性確認のため,接触式膜厚測定器を利用した.
Fig. 1 Schematic of Biosensor
作製したデバイスを用い,抗原抗体反応の検出実験を行った(アナライトを抗原,リガンドを抗体とした).実験結果をFig. 2に載せる.横軸は時間で,横軸0の点が,抗原溶液を滴下した時間である.縦軸は位相変化量に対応するシグナル量である.濃度に応じた反応カーブが得られており,作製したデバイスで抗原抗体反応を検出することができた.なお,使用した抗原抗体は,原理を確認するために選んだ感染性のない組み合わせである.

Fig. 2 Sensorgram

4.その他・特記事項(Others)
大阪大学ナノテクノロジー設備共用拠点のスタッフの皆様に感謝致します.

5.論文・学会発表(Publication/Presentation)
なし.

6.関連特許(Patent)
なし.

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