利用報告書
課題番号 :S-15-MS-1059
利用形態 :機器利用
利用課題名(日本語) :EPRによる鉄硫黄クラスター生合成タンパク質群が構成する超分子複合体の解析
Program Title (English) :EPR spectroscopic study on supramolecular protein complexes involved in
iron-sulfur cluster biogenesis
利用者名(日本語) :藤城貴史
Username (English) :Takashi Fujishiro
所属名(日本語) :埼玉大学大学院理工学研究科生命理学部門分子生物学領域
Affiliation (English) :Department of Biochemistry and Molecular Biology,
Graduate School of Science and Engineering, Saitama University
1.概要(Summary)
鉄硫黄クラスターは無機硫黄と鉄から構成された金属コファクターであり、生体内で種々の需要な代謝反応を担うことから、その生合成過程の研究が国内外で近年精力的に行われている。今回、鉄硫黄クラスター生合成酵素の1つであるNifUタンパク質のEPRスペクトルの測定を行い、野生型NifU、及び、その変異型が有する鉄硫黄クラスターの性状解析を行った.
2.実験(Experimental)
実験には、分子科学研究所の電子スピン共鳴装置Bruker R500を用いた。また、試料を極低温で測定する必要があったため、He吹付クライオスタットOxford ESR900 も利用した。精製した野生型NifU、及びC末端欠失型NifU変異体を、それぞれEPR菅に封入し、X-band、4, 10, 20, 40Kの温度でEPRスペクトルを測定した。
3.結果と考察(Results and Discussion)
野生型NifU、C末端欠失型NifUのどちらも酸化型はEPR silentであった。一方、sodium dithioniteで野生型NifU、C末端欠失型NifUを還元すると、どちらもEPR activeとなり、 [2Fe-2S]型の鉄硫黄クラスターに特徴的なスペクトルが観測された。(図)したがって、NifUタンパク質は、C末端部位の有無によらず、[2Fe-2S]クラスターを分子内に有していることが明らかとなった。また、測定温度条件を検討したところ、10Kで最も良好なスペクトルが得られることが明らかとなった。今後は、基質を加えた場合のEPRスペクトルも同様に測定し、NifUの持つ鉄硫黄クラスターが、どのように鉄硫黄クラスター生合成に関与するかについて検討する予定である。
図. 還元型の野生型NifUのEPRスペクトル.
測定条件: X-band, 10K, 0.1mM 野生型NifU.
4.その他・特記事項(Others)
本研究内容は、高橋康弘教授のご指導、ご助言のもとに行われました。また、技術支援を分子科学研究所の藤原基靖博士にお願いし、懇切丁寧に測定を支援していただきました。そして、本研究は、日本学術振興会のご支援:研究活動スタート支援(藤城)、基盤研究(B)(高橋康弘教授)、のもとに行われました。したがって、この場をお借りして、厚く御礼申し上げます。
5.論文・学会発表(Publication/Presentation)
(1) T. Fujishiro, Y. Takahashi “Towards a creation of a whole cell catalyst for H2 production by heterologous expression of [FeFe]-hydrogenase and its related genes in Escherichia coli” 日本化学会第96春期年会, 平成27年3月26日、京都、ポスター発表.
6.関連特許(Patent)
なし。







